短期バイトの確定申告は必要?不要?税金が戻る人も解説【令和8年分】

「少ししか働いていないのに、確定申告は必要なのかな」と迷う人は多くいます。
短期バイトの確定申告は「必要」「不要」「したほうが得」の3つに分かれます。
この記事を読めば、自分がどれに当てはまるのかがわかります。
短期バイトの確定申告は「必要・不要・得」の3つに分かれる

短期バイトをした人の全員に、確定申告が必要なわけではありません。
まずは、所得税の仕組みを見ておきましょう。
バイト先は給料を払うときに、所得税を先に引いています。
引いた所得税は、バイト先があなたの代わりに国へ払います。
ただし、このとき引かれるのは仮の金額です。
正しい所得税は、1年間の給料が決まらないと計算できません。
そこで年末に、バイト先が1年分の所得税を計算し直します。
この手続きが「年末調整」です。
所得税を払いすぎていた人には、差額が戻ってきます。
足りなかった人は、不足分を払います。
確定申告は、年末調整と同じ計算を自分でする手続きです。
年末調整を受けていない人は、確定申告が必要になりやすいと覚えておいてください。
では、自分はどれに当てはまるのでしょうか。
決め手は、下記の3点です。
- 年収
(1年間にもらった給料の合計) - 給料から所得税が引かれているか
- 年末調整を受けたか
この3点を組み合わせた結論が、下の表です。
あなたの | 結論 | 理由 |
|---|---|---|
・年収178万円以下 | 不要 | 払う所得税も |
・年収178万円以下 | したほうが得 | 引かれた所得税が |
・年収178万円を超えた | 必要 | 正しい所得税が |
・本業で年末調整を受けた | 必要 | 短期バイトの給料が |
業務委託で | 金額によって | 給料とは別のルールで |
表の「178万円」は、令和8年分の所得税から使われる新しい基準です。
令和8年分とは、2026年1月から12月までにもらった給料を指します。
なぜ178万円なのでしょうか。
所得税には、「この金額までは税金をかけません」という枠が2つあります。
- 基礎控除:104万円
- 給与所得控除:74万円
2つを足すと178万円。
年収が178万円までなら、枠の中におさまるので所得税はかかりません。
この基準は、ここ数年で大きく変わってきました。
対象の年 | 所得税がかからない |
|---|---|
令和6年分まで | 103万円 |
令和7年分 | 160万円 |
令和8年分・9年分 | 178万円 |
インターネット上には、103万円と書かれた古い記事もまだ多く残っています。
金額を見かけたら、何年分の基準なのかを確かめてください。
出典:国税庁 令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について
短期バイトで確定申告が必要になるケース
確定申告が必要になるケースは、大きく分けて3つあります。
自分に当てはまるものがないか、順番に確かめていきましょう。
年収が178万円を超えて年末調整を受けていない

当てはまるのは、下記の2つがそろう人です。
- 年収が178万円を超えている
(令和8年分) - 年末調整を受けていない
年収が178万円を超えると、超えた分に所得税がかかります。
年末調整を受けていない人は、正しい所得税がまだ計算されていません。
そのため、自分で確定申告をする必要があります。
年収は、源泉徴収票で確かめられます。
源泉徴収票は、バイト先が発行する書類です。
1年間の給料と、引かれた所得税が書かれています。
複数のバイト先で働いた人は、すべての源泉徴収票を集めてください。
「支払金額」の欄を足した金額が、あなたの年収です。
たとえば、下記のように働いた人がいたとします。
- 冬:スキー場で80万円
- 夏:離島のホテルで60万円
- 秋:工場で45万円
1か所ごとの給料は178万円より少なくても、合計は185万円です。
この人は、178万円を超えていることになります。
「年末調整を受けたかどうか、覚えていない」という人もいるでしょう。
年末調整をするのは、12月に働いているバイト先です。
12月にどこでも働いていなかった人は、年末調整を受けていません。
なお、確定申告をしても、所得税を払うとは限りません。
給料から引かれていた所得税のほうが多ければ、差額が戻ってきます。
追加で払うのは、引かれていた所得税では足りなかった場合だけです。
本業とは別に短期バイトの収入が20万円を超えた

当てはまるのは、下記の3つがそろう人です。
- 会社員や長期のアルバイトで、本業の勤め先から年末調整を受けている
- 連休や週末に、別の勤め先で短期バイトをした
- 短期バイトの給料が1年間で20万円を超えた
本業の年末調整で計算されるのは、本業の勤め先が払った給料だけです。
別の勤め先でもらった短期バイトの給料は、年末調整に入っていません。
そのため、短期バイトの給料が20万円を超えた人は確定申告が必要です。
確定申告では、本業と短期バイトの給料を足して、所得税を計算し直します。
ここでの20万円は、手取りの金額ではありません。
所得税や保険料が引かれる前の金額で数えます。
たとえば、日給1万2,000円の短期バイトを17日間すると20万4,000円です。
年末年始やお盆に集中して働くと、意外と早く届く金額といえます。
当てはまった人は、本業と短期バイトの両方の源泉徴収票を用意しておきましょう。
出典:国税庁 No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人
業務委託の短期バイトで報酬を受け取った

当てはまるのは、下記のどちらかに覚えがある人です。
- 契約書に「業務委託」や「請負」と書かれていた
- バイト先から給与明細ではなく、報酬の支払明細をもらった
業務委託でもらう報酬は、所得税の計算では給料として扱われません。
「雑所得」または「事業所得」という別の種類になります。
報酬の場合は、「所得」の金額で確定申告が必要かどうかが決まります。
所得とは、報酬から経費を引いた金額です。
経費は、仕事に使った交通費や道具代などを指します。
本業で年末調整を受けている人は、この所得が20万円を超えると確定申告が必要です。
収入が業務委託の報酬だけの人は、少し基準が変わります。
所得が、基礎控除などの「税金をかけない枠」を超えたときに必要です。
なお、リゾートバイトの多くは、派遣会社と雇用契約を結んで働く形です。
受け取るお金は給料なので、業務委託のケースに当てはまる人は多くないでしょう。
短期バイトで確定申告が不要なケース
続いて、確定申告が不要なケースを2つ紹介します。
当てはまった人は、手続きをしなくても問題ありません。
年収が178万円以下で所得税を引かれていない

当てはまるのは、下記の2つがそろう人です。
- 年収が178万円以下
(令和8年分) - どのバイト先の給料からも、所得税が引かれていない
年収が178万円以下の人には、所得税がかかりません。
さらに所得税を引かれていなければ、戻ってくるお金もありません。
払う所得税も戻る所得税もないので、確定申告は不要です。
所得税が引かれているかどうかは、源泉徴収票で確かめられます。
「源泉徴収税額」の欄が0円なら、所得税は引かれていません。
複数のバイト先で働いた人は、すべての源泉徴収票を見てください。
1か所でも金額が入っていたら、その所得税は戻ってくる可能性があります。
年末に働いていたバイト先で年末調整を受けた

当てはまるのは、下記の2つがそろう人です。
- 12月に働いていたバイト先で、年末調整を受けた
- その年に辞めたバイト先の源泉徴収票を、年末調整のときに提出した
年末調整では、その年に辞めたバイト先の給料も合わせて計算してもらえます。
そのために提出するのが、辞めたバイト先の源泉徴収票です。
提出していれば、1年分の所得税の計算は終わっています。
自分で確定申告をする必要はありません。
気をつけたいのは、源泉徴収票を出し忘れた場合です。
辞めたバイト先の給料が、年末調整の計算に入っていません。
出し忘れた人は、確定申告で1年分の所得税を計算し直しましょう。
短期バイトの確定申告で所得税が戻ってくるケース
確定申告をしなくてよい人でも、申告すると所得税が戻ることがあります。
この手続きを「還付申告」と呼びます。
短期バイトをした人が、いちばん当てはまりやすいケースです。
自分が対象かどうか、しっかり確かめておきましょう。
年の途中で辞めて年末調整を受けていない

当てはまるのは、下記の2つがそろう人です。
- 給料から所得税を引かれていた
- 12月より前にバイトを辞めて、年末調整を受けていない
給料から引かれる所得税は、仮の金額です。
年末調整で計算し直されて、はじめて正しい金額になります。
ところが12月より前に辞めた人は、年末調整を受けられません。
仮の金額を引かれたまま、1年が終わってしまいます。
たとえば、1月から3月はスキー場、7月から9月は離島のホテルで働いた人です。
12月はどこでも働いていないので、年末調整を受けていません。
「引かれたままだったのか」と気づいた人もいるでしょう。
年収が178万円以下なら、本来の所得税は0円です。
つまり、確定申告をすれば、引かれていた所得税がすべて戻ってきます。
「扶養控除等申告書」を出さずに働いた

当てはまるのは、下記のどちらかに覚えがある人です。
- バイトを始めるときに、「扶養控除等申告書」を書いた覚えがない
- 2か所以上のバイトを同じ時期に掛け持ちしていた
扶養控除等申告書は、バイトを始めるときにバイト先へ出す書類です。
この書類を出したかどうかで、給料から引かれる所得税の金額が変わります。
出したバイト先では、所得税が少なめに引かれます。
出していないバイト先では、「乙欄」という高めの計算方法で所得税が引かれます。
つまり、書類を出していないと、同じ給料でも多くの所得税を引かれるということです。
この書類を同じ時期に出せるバイト先は、1か所だけと決まっています。
掛け持ちをしていた人は、2か所目の給料から高めの所得税を引かれています。
高めに引かれたかどうかは、源泉徴収票で確かめられます。
「乙欄」に丸印がついていたら、高めの計算方法で引かれた給料です。
引かれすぎた所得税は、確定申告をすると戻ってきます。
令和8年の給与は新しい基準で引かれていない

当てはまるのは、下記の2つがそろう人です。
- 令和8年(2026年)に短期バイトをして、所得税を引かれていた
- 令和8年分の年末調整を受けない
年収178万円の新しい基準が始まるのは、令和8年12月1日です。
令和8年11月までの給料は、前の基準のまま所得税が引かれています。
年末調整を受ける人は、12月にバイト先が新しい基準で計算し直します。
引かれすぎていた所得税は、そのときに戻ってきます。
一方、年末調整を受けない人には、計算し直す機会がありません。
自分で確定申告をして、はじめて新しい基準で計算されます。
令和8年に短期バイトをした人は、源泉徴収票を捨てずに取っておきましょう。
還付申告は翌年1月から5年間できる

還付申告は、3月15日の締め切りを過ぎても受け付けてもらえます。
提出できる期間は、給料をもらった年の翌年1月1日から5年間です。
対象の年 | 還付申告が | 所得税が |
|---|---|---|
令和7年分 | 2026年1月1日〜 | 160万円 |
令和8年分 | 2027年1月1日〜 | 178万円 |
去年の短期バイトで所得税を引かれたままの人も、まだ間に合います。
最後に、所得税が戻るかどうかを3つのチェックで確かめてみましょう。
□ 源泉徴収票の「源泉徴収税額」に金額が入っている
□ その年の年末調整を受けていない
□ 年収が178万円以下
(令和7年分は160万円以下)
3つともチェックがついた人は、引かれた所得税が戻ってきます。
短期バイトの確定申告のやり方3ステップ
確定申告は、スマートフォンがあれば家で終わらせられます。
はじめての人は、下記の3つを用意するところから始めましょう。
- 源泉徴収票
(その年に働いた、すべてのバイト先の分) - マイナンバーカード
- 自分の名前の銀行口座
(戻ってくる所得税の振込先)
すべてのバイト先の源泉徴収票をそろえる

最初に、その年に働いたバイト先の源泉徴収票をすべて集めます。
確定申告では、源泉徴収票に書かれた数字をそのまま入力するからです。
1枚でも足りないと、正しい年収と所得税を入力できません。
源泉徴収票は、辞めたあとにバイト先から郵送やアプリで届きます。
届いていない場合は、バイト先に連絡して発行を頼んでください。
派遣会社を通して働いた人は、頼む相手が変わります。
連絡先は、働いた施設ではなく派遣会社です。
国税庁の作成コーナーで申告書を作る

申告書は、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で作ります。
スマートフォンとマイナンバーカードがあれば、作成から提出まで進められます。
作り方は、画面の質問に答えていくだけです。
源泉徴収票の「支払金額」や「源泉徴収税額」を、案内のとおりに入力します。
所得税の金額は、自動で計算されます。
自分で計算式を覚える必要はありません。
入力が終わったら、そのまま「e-Tax」というオンラインの窓口へ送信します。
マイナンバーカードを持っていない人は、申告書を印刷して税務署へ郵送してください。
2月16日から3月15日までに提出する

確定申告の受付期間は、給料をもらった年の翌年2月16日から3月15日までです。
令和8年分なら、2027年2月16日から3月15日までに提出します。
所得税を追加で払う人は、3月15日までに支払いも済ませてください。
提出も支払いも、同じ日が締め切りです。
所得税が戻ってくる人は、2月16日を待たなくても大丈夫です。
還付申告は、1月1日から受け付けてもらえます。
戻ってくる所得税は、申告書に書いた銀行口座へ振り込まれます。
早く受け取りたい人は、1月のうちに提出しておきましょう。
短期バイトの確定申告で気をつけたいこと
最後に、確定申告とあわせて知っておきたい点を3つ紹介します。
どれも、あとで困らないための確認です。
必要なのに申告しないと加算税と延滞税がかかる

確定申告が必要な人が期限までに申告しないと、2種類のお金が上乗せされます。
- 無申告加算税
申告しなかったことに対して、上乗せされる税金 - 延滞税
支払いが遅れた日数に応じて、上乗せされる税金
どちらも、本来の所得税とは別に払うお金です。
申告が遅れるほど、延滞税は増えていきます。
期限を過ぎたと気づいた人は、1日でも早く申告してください。
税務署から指摘される前に自分から申告すると、無申告加算税は軽くなります。
「少ない金額だから気づかれない」と考えるのは危険です。
バイト先は、払った給料の金額を書類にして役所へ提出しています。
なお、所得税が戻ってくるだけの人に、加算税や延滞税はかかりません。
確定申告が不要でも住民税の申告が要ることがある

所得税と住民税は、別の税金です。
所得税の確定申告が不要な人でも、住民税の申告は必要になることがあります。
確定申告をした人は、住民税の申告をしなくて大丈夫です。
確定申告の内容が、税務署から市区町村へ伝わるからです。
住民税の申告が必要になりやすいのは、下記の2つがそろう人です。
- 確定申告をしていない
- 年末調整も受けていない
申告が必要かどうかの基準は、市区町村によって変わります。
当てはまる人は、住んでいる市区町村の公式サイトか窓口で確かめてください。
扶養と社会保険は178万円とは別の基準で決まる

178万円は、自分の所得税がかかるかどうかの基準です。
親や配偶者の扶養に入れるかどうかは、別の金額で決まります。
決まること | 年収の基準 |
|---|---|
自分に | 178万円以下 |
親や配偶者が | 136万円以下 |
親や配偶者の | 130万円未満 |
たとえば、年収150万円の25歳の人がいたとします。
この人に所得税はかかりませんが、親の扶養からは税金でも健康保険でも外れます。
扶養から外れると、親の税金が増えたり、自分で健康保険料を払ったりすることになります。
扶養に入っている人は、働く前に3つの金額を見比べておきましょう。
出典:日本年金機構 19歳以上23歳未満の方の被扶養者認定における年間収入要件が変わります
短期バイトの確定申告を判定できたらリゾートバイトならダイブへ

短期バイトの確定申告は、「必要」「不要」「したほうが得」の3つに分かれます。
決め手は、年収・所得税が引かれているか・年末調整を受けたかの3点でした。
令和8年分の基準は、年収178万円です。
所得税を引かれていて年末調整を受けていない人は、還付申告で所得税が戻ってきます。
税金の手続きがわかると、短期で働くことはぐっと気軽になります。
引かれた所得税を取り戻す方法を知っていれば、次の仕事も安心して選べるはずです。
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