移住するなら仕事と家どっちが先?決める順番と住まいの探し方

移住しようと決めたのに、仕事と家のどちらから動けばいいのか分からない。
そこで手が止まっていませんか。
この記事は、これから地方へ移り住む人に向けたものです。
どちらを先に決めればいいのかを、理由と例外の両方からまとめました。
家が決まるまでの住まいと、家の探し先もあわせて紹介します。
移住は仕事と家どっちが先?答えは仕事から
移住では、仕事を先に決めるのが基本です。
ただし、移り住む地域だけは仕事よりも前に決めましょう。
地域は広いので、どの地域にするかを決めても、その中に選べる仕事はいくつも残ります。
家を先に決めると、通える範囲でしか仕事を選べない

家を先に決めると、探せる求人はその家から通える範囲だけに縮みます。
地方では、働く場所が家から遠く離れている場合があります。
しかも電車やバスの本数が少ない地域では、車がないと通えない職場も出てきます。
そうなると、良い求人を見つけても通えないという理由だけであきらめることになります。
仕事を先に決めれば、この順番が逆になります。
職場の場所が分かってから、そこへ通える家を選べるので、選べる仕事を自分から減らさずにすみます。
収入が決まらないと、家賃をいくらまで出せるかも決まらない

毎月いくらまで家賃に出せるかは、仕事が決まって手取りが見えてから決まります。
移住先の給料は、今と同じとはかぎりません。
そのため手取りがいくらになるか分からないまま家を見に行くと、その家賃が高いのか安いのかを決める基準がありません。
そうなると、気に入った家に飛びついて毎月苦しくなるか、安さだけで選んで住みにくい家に決めるかのどちらかになります。
仕事が決まっていれば毎月入るお金がはっきりするので、無理なく払える家賃の上限を自分で決められます。
家を借りるとき、勤め先と収入を見られる

家を借りるときは、勤め先と収入を聞かれるのが普通です。
申し込みの書類には、勤め先の名前や年収を書く欄があります。
大家さんは、毎月の家賃を払い続けられる人かどうかをここで確かめます。
また、家賃の支払いを肩代わりする会社(家賃債務保証会社)の審査を受ける契約も多くあります。
この審査でも、働き方と収入が見られます。
仕事が決まっていないと、この段階で話が通りにくくなることがあります。
先に仕事を決めておくほうが、家の手続きは進めやすくなります。
家は契約で決めた日から家賃が出ていく

家を借りると、契約で決めた開始日から家賃がかかります。
まだ住み始めていなくても、家賃は同じように出ていきます。
仕事が決まらないまま家を契約すると、働いていない月の家賃も自分で払うことになります。
その分は貯金から出ていくので、移住のために貯めたお金が家賃で減っていきます。
仕事が決まっていれば、家賃がかかり始める日を働き始める日に近づけられるので、給料が入るまでのずれを短くできます。
合わなかったとき、やり直しにお金がかかるのは家のほう

合わなかったときに、お金をかけずにやり直せるのは仕事のほうです。
仕事が合わなかったときは、同じ家に住んだまま次の仕事を探せます。
移住そのものをやめる必要はありません。
家が合わなかったときは、そうはいきません。
引っ越しの費用がもう一度かかり、次の家でも契約のときのお金を払い直すことになります。
つまり、あとから変えてもお金がかかりにくいのは仕事のほうです。
仕事を先に決めておけば、家はその仕事に合わせて一度で選べます。
移住で仕事を先にしなくていいのはこんな人
移住では仕事を先に決めるのが基本ですが、先に決めなくていい人もいます。
当てはまるのは、仕事の場所を選ばない人、住む家がすでにある人、家の条件を変えられない人です。
どれにも当てはまらなければ、仕事から決める進め方は変わりません。
どこに住んでも今の仕事を続けられる人

今の仕事をどこに住んでも続けられるなら、家から決めてかまいません。
どこに住むかで仕事が変わらないので、家の条件を先に決めても選べる仕事は減りません。
広さや家賃、まわりの静かさなど、自分の希望を優先して家を選べます。
ただし家で働くなら、契約の前にインターネットがきちんとつながるかを確かめてください。
また会社によっては、月に何日か出社が要ることもあります。
この2つを先に確かめておけば、住みたい家から決めても仕事で困りにくくなります。
住む家がもう決まっている人

住む家がもう決まっているなら、探すのは仕事だけになります。
たとえば実家に戻る場合や、親族の家を貸してもらう場合、相続した家に住む場合です。
家を探す手間がそもそもないので、どちらを先にするかという悩み自体がなくなります。
考えるのは、その地域でどんな仕事に就くかだけです。
ペットや家族の事情で家を選べない人

家の条件を先に決めるしかない事情があるなら、家を先に決めて大丈夫です。
犬や猫を飼っていてペット可の家が少ない場合や、子どもの学校を決めている場合、親の介護で実家の近くに住みたい場合です。
こうした事情は、仕事に合わせてあとから変えるのが難しいものばかりです。
ただ、家を決める前に、そこから通える範囲に求人がどれくらいあるかをざっと見ておいてください。
家の場所を動かせなくても、働き先の見当を先につけておけば、移り住んだあとで困りにくくなります。
移住の仕事を決める前に確かめておくこと
仕事を先に決めるといっても、応募する前に確かめておきたいことが3つあります。
移住支援金のこと、通える範囲の家のこと、働き始める日のことです。
その求人が移住支援金の対象かどうか

移住支援金をあてにするなら、その求人が支援金の対象かどうかを先に確かめます。
この支援金は、移住する前に東京23区に住んでいた人か、東京圏(東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県)から23区へ通っていた人に向けたものです。
ただし東京圏の中でも、過疎地域などの条件不利地域に住んでいた人は対象になりません。
そのうえで、次の4つのうちどれかに当てはまる必要があります。
- 地域の中小企業などに就く
(道府県のマッチングサイトに載っている求人に就くか、プロフェッショナル人材事業・先導的人材マッチング事業を使って就く) - 会社の指示ではなく自分の意思で移り住み、移住する前の仕事をそのまま続ける
(テレワーク) - 市町村が独自に決めている要件に当てはまる
- 1年以内に、起業支援金(地方で事業を始める人向けの地方創生起業支援事業)の交付決定を受ける
自分が応募しようとしている求人がどれに当たるかは、申し込む前にはっきりさせておきましょう。
申請できるのは移り住んだ後で、期限は転入後1年以内です。
ただし移り住んですぐ申請できるとはかぎらず、いつから申請できるかも自治体で違います。
この支援金を出しているかどうかも、細かい要件も、自治体によって違います。
決まりは移住先の市町村が公開している要綱に書かれているので、応募したい求人が見つかったら必ず目を通してください。
職場に通える範囲に住める家があるかどうか

職場に通える範囲に住める家があるかを、応募する前にざっと見ておきましょう。
地方では、職場の周りに借りられる家がなかなか見つからないことがあります。
募集そのものが少なかったり、あっても職場から遠かったりするためです。
家が少ないと気づくのが採用の後になると、働き始める日までに住むところを決められなくなります。
仕事を先に決める進め方は、通える範囲に家があってはじめて成り立ちます。
といっても、この段階では住めそうな家があるかどうかが分かれば十分で、一軒に決める必要はありません。
いつから働き始めるか

いつから働き始めるかは、家を探す時間も含めて決めましょう。
採用が決まってすぐ働き始める形にすると、家を探す時間がほとんど残りません。
家を見に行ったり契約を結んだりするのに日にちがかかるためです。
働き始める日は、事情を伝えれば相談に応じてもらえる場合があります。
応募のときや面接のときに、いつから働けるかを自分から伝えておくと話が進めやすくなります。
開始日をどこに置くかで、家を探せる日数が決まります。
移住先の家が決まるまでどこに住む?
長く住む家が決まるまでのあいだは、つなぎの住まいを使えます。
使えるのは、仕事についてくる寮や社宅、自治体のお試し住宅、マンスリーマンションの3つです。
住まい | 住める期間 | お金の出方 | 使うための条件 |
|---|---|---|---|
仕事についてくる | 働いているあいだ | 家賃が無料か、 | その求人に採用されること |
自治体の | 1泊から最長1年まで | 自治体が決めた利用料。 | 移住を考えている人向け。 |
マンスリー | 1か月から | 月ぎめの賃料に | 空きがあれば申し込める |
お試し住宅の住める期間と料金は、自治体ごとに違います。
例えば静岡県の一覧では、泊あたりで料金を決めている施設は大人1人1泊で無料から4,000円まで、月あたりで決めている施設は月15,000円からです。
小学生以下は別の料金になります。
この一覧で無料なのは川根本町お試し住宅で、2泊3日以上7泊8日以内まで使えます。
泊あたりで払う例は河津町の「なごみの里かわづ」で、大人1泊3,500円、1泊から2週間までです。
月ぎめの例は浜松市天竜区の「田舎暮らしお試し住宅」で、月15,000円、1か月から最長1年までです。
出典: 静岡県 移住・定住情報サイト「ゆとりすと静岡」お試し住宅一覧
1: 仕事についてくる寮や社宅

仕事に寮や社宅がついてくるなら、働き始めた日から住む場所があります。
寮に入る日は、仕事が始まる日に合わせられます。
家賃は求人によって違い、無料の仕事もあれば、給与から引かれる仕事もあります。
どちらにしても、部屋を借りるためのお金をまとめて用意する必要はありません。
ただし、仕事を辞めると、その住まいからも出ることになります。
つまり寮や社宅は、家を探す手間もお金もかけずに住み始められる代わりに、住める期間が仕事の期間と重なる住まいです。
また、いきなりその地で働いて生活することが不安なら、数ヶ月間寮に住みながら働ける"リゾートバイト" でお試し移住生活をしてみる方法もあります。
勤務期間が2〜3ヶ月の求人も多く、気になっている土地の気候や買い物のしやすさ、休日の過ごし方などをしっかりと確かめられます。
オンオフのはっきりしている職場で、仕事に遊び、共に充実した日々を送ることができました。 離島だけあって、大自然を身近に肌で感じることができ、釣りやシュノーケリングなどのアクティビティを通して、リゾートバイトならではの貴重な経験をしました。 従業員食堂のメニューはどれもおいしくて満足です。 職場の方や島民の方、どなたも非常に優しく、暖かく受け入れて下さり、移住したいと思える環境でした。
今回は、よくある冬山でのお仕事を経験させていただきました。 個人的には本当に素敵な場所でお仕事をさせていただきました。スノーボードを無料でやれることも温泉に入れることももちろんでしたが、それ以上に人との出会いが僕にとってはとても大きな喜びでした。これからも一生繋がっていたい仲間もできたし今回のリゾートバイトを通して移住を決めたこともあるので感謝の気持ちでいっぱいです。
\勤務期間1ヶ月の求人も◎/
2: 自治体のお試し住宅

お試し住宅は、移住を考えている人のために自治体が用意した住まいです。
部屋には机やベッド、冷蔵庫や洗濯機がそろっています。
台所の鍋やフライパン、食器まで置いてある施設もあります。
そのため、持っていくのは着替えと洗面用具くらいで足ります。
引っ越しの荷物をまとめる前に、体ひとつで住み始められる住まいです。
3: マンスリーマンション

マンスリーマンションは、1か月単位で家具家電つきの部屋を借りられる住まいです。
契約のときに敷金や礼金を求められないことが多く、家具や家電も置いてあるので、買いそろえて運び込む手間がかかりません。
その代わり、1か月あたりに払うお金は普通の賃貸より重くなりやすいです。
最初にまとめて出ていくお金は軽い一方で、住む月数が延びるほど負担は増えていきます。
移住先の家はどこで探す?ネットの賃貸サイトだけでは足りない
移住先の家は、ネットの賃貸サイトだけを見ていても見つからないことがあります。
地方には、不動産会社が扱っていない空き家や、大家さんが直接貸している家があるからです。
家の探し先は、大きく5つあります。
ネットの賃貸サイト

ネットの賃貸サイトは、まず家賃の相場をつかむのに使います。
住みたい地域と間取りで絞れば、だいたいいくら払えば借りられるのかが見えてきます。
ただ、地方の物件は都市部に比べて載っている件数が少なめです。
写真が少なかったり、間取りの説明が短かったりすることもあります。
そもそもサイトに出ている家が、その地域にある家のすべてではありません。
つまりネットの賃貸サイトは、家賃の見当をつけるところまでの道具です。
ここで探し終えたと思わずに、ほかの探し先も合わせて使ってください。
現地の不動産会社

現地の不動産会社には、ネットに出ていない家があります。
店先に紙で貼ってあるだけの物件や、地元の大家さんとのつきあいで話が回ってくる物件です。
こうした家は、サイトを何度開いても出てきません。
まだ移り住む前でも、電話やメールで条件を伝えておくことはできます。
いつごろ入りたいか、家賃はどのくらいまでにしたいか、駐車場は要るか。
こうした条件を書いて送っておけば、空きが出たときに連絡をもらえることがあります。
現地の不動産会社は、着いてから訪ねる場所ではなく、行く前から声をかけておく相手です。
自治体の空き家バンク

自治体の空き家バンクには、不動産会社が扱っていない家も載ります。
空き家バンクは、市町村が地域の空き家を集めて紹介するしくみです。
いくつもの自治体の物件をまとめて見られる「全国版空き家・空き地バンク」もあり、国が公募して選んだ2社が運営しています。
載っているのは、自治体が掲載を認めた家です。
持ち主と直接やりとりする物件もあれば、不動産会社が間に入る物件もあります。
ただ、載っている数は地域によって違うので、空き家バンクだけで家が決まるとは限りません。
ネットの賃貸サイトには出てこない家を見つけるための、探し先の一つだと考えておきましょう。
移住相談の窓口

移住相談の窓口では、移住先の暮らしや住まいのことを相談できます。
代表的なのが、東京の有楽町にある「ふるさと回帰支援センター」です。
40を超える道府県の相談員がいるので、住みたい地域の暮らしや住まいの話を直接聞けます。
同じフロアにはハローワークの地方就職支援の窓口もあるので、仕事の相談はそちらでできます。
都道府県が独自の移住相談センターを置いていることもあります。
移住先がまだ決まっていなくても相談できますが、対面の相談には予約が要ります。
住まいと仕事を別々に調べて回るより、まず窓口をたずねたほうが早く進みます。
働き先や近所の人からの紹介

地域では、働き先や近所の人からの紹介で家が決まることがあります。
空き家を持っている人が、貸してもいいと思いながら募集を出していないことがあるからです。
そうした家の話は、地域の中で人から人へ伝わっていきます。
こうした話が耳に入るには、まず現地にいることです。
つなぎの住まいに入って働き始めると、職場の人や近所の人と話す機会が増え、空いている家の話が向こうから来ることもあります。
ただ、人づての話なので、いつ出てくるかは読めません。
この探し方だけをあてにして待つのではなく、ほかの探し先と並べて使ってください。
まとめ:仕事から決めれば、家は選びやすくなります

移住では、仕事を先に決めるのが基本です。
家を先に決めると通える範囲でしか仕事を選べず、収入が分からないままでは家賃の上限も決まりません。
家を借りるときは勤め先と収入を聞かれますし、契約で決めた開始日から家賃はかかります。
合わなかったときにやり直しのお金がかかるのも、仕事より家のほうです。
ただし、家から決めてかまわない人もいます。
今の仕事をどこに住んでも続けられる人、住む家がもう決まっている人、ペットや家族の事情で家の条件を動かせない人です。
仕事から決めるなら、応募の前に3つ確かめてください。
その求人が移住支援金の対象か、職場に通える範囲に住める家があるか、いつから働き始めるかです。
家がすぐに決まらなくても、寮や社宅、自治体のお試し住宅、マンスリーマンションを、つなぎの住まいとして使えます。
長く住む家は、ネットの賃貸サイトだけで探さず、現地の不動産会社や自治体の空き家バンク、移住相談の窓口、地域の人からの紹介も合わせて使ってください。
住む場所のついた仕事から移住を始めるという方法もあります。
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