【連載】横浜から最北端へ|第5回「リゾートバイトからIターン就職へ」

読者の皆さま、こんにちは。
札幌で仕事をする傍らライター活動をしている白丸あすかです。
私は神奈川県の横浜市出身で、都内の大学を卒業後、日本最北端の稚内に就職して6年間を過ごしました。稚内では日々の暮らしや北海道あるあるを漫画にしてSNSで発信をしており、Webマガジンの連載、電子書籍発売、公認インフルエンサー就任といった活動をさせていただきました。
本連載は北海道での暮らしと地方移住、そしてリゾートバイトをテーマにした実際の体験談です。
全国各地を旅してみた結果
大学時代、リゾートバイトで旅費を稼ぎながら全国各地を旅していた私は、リゾートバイト先や旅先で様々な景色・生活・人に触れ、地方移住(地方就職)を希望するようになりました。趣味の旅行はいつしか「自分探しの旅」ならぬ「自分の“住むところ”探しの旅」へと目的が変わり、訪れた先々の土地を移住の観点から吟味する日々が続きます。
自分の“住むところ”探しの旅を続けた結果、移住先としてまず有力候補に挙がったのは、実家(横浜)に近い関東周辺のエリアです。伊豆のホテルでリゾートバイトをした経験から、少し都市部を離れただけでも地方暮らしの要素はじゅうぶん満喫可能であり、1~2時間で東京に出られる地の利もいざという時に便利だと考えたのです。
しかし、私はあることに気がついて思いとどまります。
「近すぎるのではないか……?」と。
旅行経験を重ねるうちに段々と距離感が麻痺していた私は、帰省の過程すらも「遠ければ遠いほど、帰省の度に旅行らしい移動ができるから楽しみだ」などと考えてしまい、関東周辺を候補から除外して、物理的な距離の壁を完全に無視した新天地探しを実行することにします。
(……最初にリゾートバイトをした地であり、地方移住に興味をもつきっかけとなった北海道はもちろん移住候補地の筆頭だよなぁ)
(……地方や田舎といったイメージからは離れてしまうけど、視点を変えて名古屋や大阪などの西日本の中心地に居を構えるのも悪くない。旅行・乗り物好きにとっては好都合な側面も多いかもしれない!)
(……三宅島でリゾートバイトをした時も、不便さを乗り越えて「住めば都」を実現できていたから、沖縄方面の離島だって当然候補地になりうる……)
(悩むなぁ)

私は自分の経験を元に悩み抜き、ひとつの結論にたどり着きました。
自分が将来住みたいのは……
全国規模で移住(地方就職)したい土地を探した結果、私が住みたいと思った場所。
それは……

北海道。
それも、札幌のような大都市ではなく、できるだけ端っこのほうにある地方都市。……極論を言えば、初めてリゾートバイトをした思い出の地でもある、知床みたいな場所がいい。そう結論づけたのです。
人生で1度きりの新卒というカードをこの決断に使うのには勇気が要りましたが、東京で人混みに揉まれながら通勤する自分の姿がどうしても想像できず、北海道移住を前提とした就職活動に本腰を入れました。
この時、両親や友人は私の進路希望に反対することなく「やっぱりか」といった様子で私の決断を快く受け入れてくれたのが幸いで、今でも感謝しています。これも、私がリゾートバイトや旅行で移住希望先の環境を既に知っていて、そのうえで移住に踏み切っているという経験則の恩恵が大きいと思います。リゾートバイトでお試し移住をすることは、ただ旅をしながらお金を稼げるだけでなく、人生の可能性を広げてくれると感じました。
一風変わった就職活動
「北海道の地方都市で働きたい」という勤務地優先の就職活動をスタートさせた私でしたが、その道のりは意外と厳しく、最初のうちは難航しました。北海道の主要都市(札幌・旭川・函館など)以外に絞って求人を探すと、一般的によく耳にする大手新卒求人サイトにはあまり情報が載っていないのです。
そこで私は、普段からお世話になっているあるモノを使って地方都市の求人を探すことにしました。
あるモノとは……?

私は地図を開いて興味のある地域の企業を見つけ、会社のホームページなどから直接求人に関する情報を探すという原始的な方法を使って就職活動を進めたのです。地図は企業リサーチの傍らで生活圏の利便性も同時に知ることができ、地方就職においては一石二鳥の便利就活ツールなのです。※筆者のケースは特殊事例ですので、この方法は参考にする程度にとどめ、真似しないでください(笑)
そのようにして地図を使った道内企業のリサーチに勤しんでいると、陸地を一番上までスクロールし終えたところで「稚内」という文字が私の目に留まりました。稚内は日本最北端に位置する人口約3万人の市で、希望通りの端っこの町です。稚内には夏・冬を問わずに何度か旅行で訪れた経験があり、雰囲気は大体知っていました。
(稚内、かぁ)
一般的に考えれば、首都圏で生まれ育った人間がいきなり稚内へ移住するという行為はハードルが高いと思います。しかし、最寄りの町まで数十キロという知床のリゾートバイトで道民チュートリアルを履修した私は、鉄道が通っていて空港もあり、生活に必要なものが大抵手に入る稚内でなら「自分は暮らしていける」と確信をもって言えました。
(新卒で最北の地へ就職。アリかもしれない……!)
私はすぐに稚内の求人へ応募をし、無事に内定をいただきました。リゾートバイトから始まった地方暮らしへの憧れが、日本最北端への地方就職という形で決着した瞬間でした。面接の場面においては、リゾートバイトの経験が「この土地・この会社で働きたい」という志望動機に繋げやすくとても役に立ったのを覚えています。
晴れて念願の道民になった後は、冒頭の挨拶や初回の連載でもお話させていただいた通り、最北端での暮らしを『しろまる最北日記』としてSNSに投稿し始めます。今こうしてライターの活動ができているのは、リゾートバイトと地方移住の経験があったからこそでしょう。
私の体験談を綴る本連載は今回で5回目となり、次回が最終回の予定です。最後はリゾートバイトと地方移住について私なりの考えをお話しながら連載を総括できたらと思います。
もう少しだけお付き合いいただけると幸いです。




































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