更新日:2026.05.01
公開日:2026.05.01

「隙間」があるまちで見つける、自分らしい働き方|遠別町の地域おこし協力隊を募集

「隙間」があるまちで見つける、自分らしい働き方|遠別町の地域おこし協力隊を募集

北海道の北西部、日本海側に面した遠別町(えんべつちょう)。海と山がすぐそばにある、人口約2,200人の小さなまちです。農業や漁業、酪農、林業などの一次産業が暮らしの中心にあり、「食が豊かなまち」としても知られています。

一方で遠別町は、観光資源の少なさや交通アクセスの課題を抱えています。公共交通機関が限られ、日々の移動には車が欠かせません。その影響もあり人口減少が進み、暮らしや地域機能を維持するためにも、さまざまな改善が求められています。

だからこそ遠別町では、北海道内でも先駆けて「地域おこし協力隊」の制度を活用し、地域活性化につながる取り組みを続けてきました。2024年に國部町長が就任したことをきっかけに、地域おこし協力隊の募集内容も見直され、新たに3つのポジションで募集がスタートしています。

人口が少ないからこそ、まちの暮らしには「隙間」があり、挑戦できる余白が残されています。遠別町で地域おこし協力隊として働くことは、どんな日々につながっていくのでしょうか。遠別町役場まちづくり推進課企画振興係の佐々木 礼央さんに、遠別町の魅力や課題、そして地域おこし協力隊の募集にかける想いを伺いました。

遠別町ってどんなまち?人との距離が近いまちの魅力

遠別町はどんなまちですか?

北海道の左上に位置する、海や山に囲まれた人口約2,200人の小さなまちです。

日本最北の米どころとしてもち米の生産が行われているほか、メロンやほうれん草、アスパラガスなどの農産物、ホタテの養殖業、タコやヒラメなどの魚介類の水揚げ、畜産業、林業など、一次産業が盛んな地域でもあります。

移住先として見たとき、遠別町ならではの魅力はどんな点にありますか?

移住者の方からよく言われるのが、「まちがすごくコンパクト」だということですね。

集落が点在しているわけではなく、市街地にスーパーや病院、学校施設などがまとまっていて、徒歩圏内で移動できるため、想像以上に暮らしやすいという声もあります。

遠別町は人との距離が近く、住民が気さくに話しかけてくれたり、移住者を受け入れてくれたり、自然と交流が生まれる雰囲気がありますね。人口が少ないので、新しく移住者が来ると嫌でも注目されるんです(笑)。

何もしなくても、いい意味で声をかけてもらえるというか。僕もどちらかというと話しかけに行くタイプです。人との交流が好きな方にとっては、横のつながりが生まれやすく居心地のよい環境だと思います。

遠別町が抱える課題と、これからの可能性

遠別町が今、課題に感じていることを教えてください。

人口減少は大きな課題です。今目指しているのは、現状の機能を維持したいということです。遠別町の商店街には70歳、80歳を超える方が経営している店舗も複数あります。事業承継の課題も避けられないので、ゆくゆくは第三者が引き継いでいけるような環境をつくりたいと思っています。

人が増えて現状維持ができるようになれば、次は「もっと人に来てほしい」と思うようになりますよね。個人的には遠別と言えば「これが強み」というものを確立していきたいです。

また、少子高齢化も深刻でして......。子どもが少なく、小学生・中学生ともに一学年で15人くらいで、新しく入学する小学生が10人を切っています。

その一方で、高齢になると普段の生活でも家から出なくなってしまう方が増えています。診療所はありますが、大きな病気や怪我をすると都市部まで行かなければいけない。そうすると人口がさらに減っていく悪循環に陥ってしまうんですよね。だからこそ、生活支援や移動手段の改善も含めて、地域の暮らしを支える仕組みをつくっていきたいという想いがあります。

観光や移住に向けた取り組みは、どのような状況ですか?

遠別町は、日本最北端の「宗谷岬」を目指す観光客の通過地点になりやすく、滞在されることが少ないという課題がありました。そこで2020年に道の駅「えんべつ富士見」がリニューアルオープンしてからは、キャンプ場や屋内こども遊戯場、テレワーク施設「とんがりかん」などを整備して、道の駅を拠点とした観光施策に力を入れてきました。

「北海道じゃらん道の駅満足度ランキング2025」で3位にランクインするなど、道の駅は人気スポットにもなりつつあります。ですが、なかなか移住につながる成果が出ていないので、ここからギアチェンジしていこうというタイミングです。

移住に結びついていない背景としては地理的要因もあります。公共交通機関が限られ、アクセスは決していいとは言えません。まち自体はよくても、どこに行くにも移動手段が大変という現状があります。

こうしたまちの課題を解決していくには、行政だけでなく地域のなかに入り込んで一緒に考え行動してくれる人の力が必要です。そのため遠別町では、北海道内でも早い段階から地域おこし協力隊制度を活用してきました。現在は新たに3つのポジションでの募集を行っています。

遠別町で地域おこし協力隊として働く|まちの仕組みを一緒につくる仕事

今回募集する3つの職種は、それぞれどんな背景で設計されたのでしょうか?

今募集している職種は、「地域プロデューサー」「教育サポーター」「観光コーディネーター」です。もともと地域おこし協力隊のOBだった方々が、隊員が任期を終えた後もまちでの活動を続けられるように「NPO法人えんおこ」を設立しました。情報発信やPR、生活支援、地域活性化に向けた取り組みをまちから委託し継続的に担ってもらっています。

このNPO法人を拠点に、まちの課題解決や地域活性化を進めていく役割として設計されたのが「地域プロデューサー」です。また、公設民営の学習塾「えんべつ学びの場」 の運営や子どもたちのサポートを担う「教育サポーター」、観光やふるさと納税につながる特産品の掘り起こし・開発を行う「観光コーディネーター」という形で、それぞれの職種が生まれました。

地域おこし協力隊には、どんな方に来てほしいですか?

ぶっちゃけ、どんな方でも歓迎します(笑)。

遠別町には、さまざまな分野で人手が足りない場所があり、まちのあちこちに隙間がある状態です。そのため、決まった型に当てはめるのではなく、来ていただいた方の適正や強みに合わせて、臨機応変に対応してもらうことが多いです。

みんなで協力しながら地域をよくしていきたいという想いが前提にあるので、「自分ひとりで黙々と仕事をしたい」「構われたくない」という方は、もしかしたら合わないかもしれません。

現在、遠別町で活動している地域おこし協力隊は2名いて、それぞれ地域プロデューサーと教育サポーターとして携わってくれています。これから仲間を増やし、それぞれの役割を担ってもらうことで、地域機能の維持とまちの未来づくりにつなげていきたいと考えています。

3つのポジションから見る、遠別町での働き方

地域プロデューサーの役割とは|まち全体をつなぐ役

観光や教育にも関わりながら、地域全体をトータルコーディネートしていくポジションです。協力隊のOBが設立した「NPO法人えんおこ」が受託している情報発信やイベント運営、移住交流事業、学校教育情報化支援、遠農活性化プロジェクト支援など、地域活性化につながる取り組み全般に携わります。幅広いテーマに関わりながら、地域のなかに入り込んでいけるのが地域プロデューサーの特徴です。

また、遠別町ではすべての地域おこし協力隊に情報発信の役割をお願いしているため、SNSを活用した観光・地域情報の発信にも取り組んでいただきます。

実は今年度の4月から、地域プロデューサーとして活動を始めた方が一人います。その方は、遠別農業高校と地域との連携に興味を持ち、応募を決めたそうです。

行政が高校の生徒募集にも積極的に関わり、高校生が地域イベントを一緒に手伝うなど、学校と地域が連携する取り組みはここ数年続いています。今後はこうした活動を外に向けて発信していきたいと意気込んでいました。

教育サポーターの役割とは|子どもたちの未来を支える学びの仕組みづくり

「えんべつ学びの場」や町教育事業「子どもチャレンジ教室」の運営をサポートし、子どもたちの学力向上や学習環境づくりに携わります。

遠別町が塾を立ち上げた背景には、2つの目標があります。ひとつは、日々の学習習慣のなさから遠別町の子どもたちの学力が全国・北海道平均と比べて低い傾向にあるので、学習環境を身に付けること。都会では塾が当たり前にある一方で、地方には学習する環境が少ないという現状があります。まずはその課題を解消していきたいです。

もうひとつは、子どもたちの進路の選択肢を増やせるように、学力を伸ばしていくこと。遠別町には遠別農業高校しかなく、普通科高校へ進学する場合は町外に出る必要があります。旭川や札幌に進学する子どもも増えており、寮に入るだけでなく母親が子どもに付き添って移動するケースも。だからこそ塾では今後コース分けも含めて運営を強化し、学力向上を目指していきたいです。

実は塾の立ち上げ当初は、町長である國部さんが講師をやっていたのですが、町長就任にともない、講師を続けることができなくなりまして(笑)。

現在は学習習慣を身に付けることが中心になっていて、本来目指していた進路につながるための学力向上まで手が回っていない状況です。そこで教育サポーターには、塾のカリキュラム設計やプランニングなども含めて取り組んでいただきたいと考えています。

教育に携わった経験がなくても応募できますか?

実際に勉強を教えるというよりも、塾の仕組みを整えて設計していくポジションです。そのため、できれば教育関係の経験がある方に来ていただけると心強いですが、未経験の方でも大丈夫です。

また遠別町では塾のサポートだけではなく、生涯学習にも力を入れていきたいと考えています。これまで行政主導で行ってきた社会教育や生涯学習を、町内の民間人材とも協力しながら、いつでも学べる環境として整えていきたいという想いがあって、教育サポーターには、企画運営や文化団体のサポートなど、広い意味での教育支援を担ってもらい、子どもたちの進路や可能性を広げてもらえたらと思っています。

観光コーディネーターの取り組みとは|通過されるまちから立ち寄られるまちへ

観光協会が行っているイベントの企画や運営、物産展でのPR活動、観光資源の掘り起こし、観光メニューの開発、情報発信などに取り組んでいただきます。現状は役場と商工会職員が事務局を担っており、本業と並行して活動しているため、どうしても片手間での運営になりやすい状況です。

そこに専任者として入り、しっかりと観光を支える芯になってくれる人を募集しています。そうすることでまちのPRや観光促進につなげてもらいたいですね。

遠別町の観光の課題は通過型の観光客が多いこと。「1時間でも滞在してもらえるまちにしたい」という想いから、道の駅を拠点に整備を進めてきましたが、これから必要なのは「遠別町にはこんなものがあるよ」と知ってもらい、手に取ってもらう仕組みづくりです。

そのために特産品を掘り起こしてもらい、遠別町ならではの魅力や商品を見出していただけたらなと。地元の魅力を移住者ならではの視点で再発見し、まちの価値として届けていただく役割を期待しています

「隙間」があるからこそ輝ける。遠別町で新たな挑戦を始めよう

遠別町では地域おこし協力隊として活動するうえで、どのようなサポートがありますか?

報酬に加えて活動費の補助制度があります。たとえば、車やパソコンのリース料、活動に必要な消耗品、研修費用なども補助対象です。

また、地域おこし協力隊用の2DKの住宅も用意していて、家賃は月1万6,000円の超激安価格で借りることができます。

ほかにも地域おこし協力隊のOBが、普段の活動から生活に至るまでサポートできるのも遠別町の強みです。行政とNPO法人、地域おこし協力隊とで連携しながら進めていける環境が整っています。

もし興味はあるけど暮らしや働き方に不安がある場合は、最短2泊3日の「お試し制度」も用意しています。まずは短期間の滞在で、遠別町の空気や暮らしを感じてみてください。

任期後は、どんなキャリアの選択肢がありますか?

遠別町はさまざまな分野で人手が足りない、空きがあるというところが多いので、新規での起業もしやすい環境だと思います。補助金制度もいろいろ用意しているので、起業や事業承継にもぜひチャレンジしてもらいたいです。

それに加えて「NPO法人えんおこ」の職員として関わる道もありますし、役場も人が足りないのですぐに相談に乗れると思います。

実際に活動している方は、どんなやりがいを感じていますか?

教育サポーターとして活動している方は、半年間の活動報告のなかで「子どもたちの反応がすごくストレートで素直。初めのうちは警戒していた子どもたちが、半年も経つと打ち解けてくれるようになった」と話していました。

その方は写真が好きで、日々子どもたちの様子を撮影してくれているのですが、カメラを向けたときの笑顔が初めの頃と全然違う。写真を見返すだけで「受け入れられたんだな」と感じたそうです。

子どもと接するなかで、ダイレクトな反応を見られることがすごくうれしくて、それが「もっとこの子たちのために何かしたい」という気持ちにつながっていると話してくれました。

一緒にこのまちの未来をつくっていくという選択

改めて、遠別町で働く魅力はどんなところにありますか?

まちのいろんなところに足りないものや空きが多くて「隙間」があるのが遠別町の魅力だと思います。隙間があるからこそ自由度が高く、裁量も大きい。自分のやりがいを見出しやすく、やってみたいと思ったことが実現しやすい環境です。

特に武器やスキルがなくても、遠別町に来てから自分のスキルを磨いていったり、まちの人やモノに触れながら得意を見つけてもらうのでも大丈夫です。それぞれの適性や個性に合わせた活動をしてもらえたらと思います。

遠別町はこれといった強みがないのが特徴です(笑)。でも、強みが定義されていないからこそ新しい価値をつくれる余白があります。

「自分のスキルや得意なことを活かして新しいことに挑戦したい」「余白のある暮らしを楽しみながら、このまちをよくしていきたい」という想いを持った方は大歓迎です!

最後に、応募を迷っている⽅へメッセージをお願いします。

僕があなたのすべてを支えます!

まずは遠別町に来てもらえれば、このまちを好きになってもらえる自信があります。交通アクセスがあまりよくないので、稚内・留萌・名寄市に行くにも車で1時間半ほどかかりますが、言ってもらえたら僕が連れていきます(笑)。

決して一人ではありません。地域おこし協力隊の仲間もNPO法人の方々も、僕もいます。みんなで「このまちをよくしたい、元気にしたい」と思っているので、その輪を一緒に広げる仲間に入ってもらえたらうれしいです。


遠別町地域おこし協力隊募集概要

【募集職種】

・教育サポーター

・観光コーディネーター

・地域プロデューサー

【募集人数】

若干名

【雇用形態】

遠別町地域おこし協力隊として遠別町長が委嘱し、「遠別町地域おこし協力隊支援業務」の受託事業者が雇用します。 ※町との雇用関係はありません。 

【期間】

委嘱日から令和9年3月31日まで。

なお、委嘱後1年を超えない範囲において、遠別町長が委嘱更新の判断をします。

 ※ 原則、委嘱期間は最長で3年間までとします。 

【勤務時間】

1日8時間以内(休憩時間を除く)、週5日勤務。

勤務時間や始業終業時刻及び休日(週2日)は、運営状況により変動することがあります。

【給与】

月額291,000円程度 


【待遇及び福利厚生等】

・健康保険等に加入(健康保険、雇用保険、労災保険等)

・年次有給休暇あり(1年目は10日、2年目は11日、3年目は12日を付与) 

※2年目以降は前年の残日数が加算されます。

・協力隊用住宅(2DK)あり。 

・住宅料及び生活備品は自己負担。

・活動に係る消耗品・備品等は、「遠別町地域おこし協力隊支援業務」委託料の範囲内で負担し、支給もしくは貸与可能。 

(例)活動に要する自家用車の借上費(燃料費含む)、活動旅費等移動に要する経費 ・作業道具、消耗品等に要する経費等

・上記以外の経費は自己負担。 

(例)住居に係る光熱水費、個人の電話等の通信費、任用期間中の生活費

・業務に支障がない範囲において、定住につながるまたは地域住民から頼まれる仕事に従事する場合は、協議の上、通常業務時間外での兼業が可能。

・町内で起業又は事業承継する場合は、遠別町が定める支援補助制度等がありますので、別途ご相談ください。 

【選考方法】

応募書類到着後、遠別町から通知する日程において面接試験を実施いたします。

※特別な事情により来町できない場合はオンラインにより実施いたします。


>>遠別町地域おこし協力隊の詳細はこちら

取材先

佐々木 礼央さま

遠別町役場 まちづくり推進課企画振興係 係長

佐々木 礼央さま

執筆者

リゾートバイトナビ - 「旅して働く」リゾートバイトの歩き方 -

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編集部

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