つなぎではなく「再構築」へ キャリアブレイクとしてのリゾートバイト

仕事を一度離れ、あらためて自分のキャリアや生き方を見つめ直す「キャリアブレイク」
欧州では一般的な考え方だが、日本でも近年、環境を変えて働く「リゾートバイト」を通して、自分の軸を再構築する人が増えている。
会社経営という安定した立場にありながら、自らその働き方を選んだ中島さん(34歳)もその一人だ。
経営者からリゾートバイトへ「多様な働き方を知るための挑戦」
中島さんは26歳のときに独立し、東南アジアを拠点に芸能プロダクションや音楽関連事業を展開している。
現在は、数百名規模の従業員を抱える企業の代表を務めている。
順調に事業を拡大してきた一方で、次第に感じていたのは「働くとは何か」という根本的な問いだった。「これからは、会社に属するだけでなく、場所や時間を選んだり、短期・短時間で働く人が増えると思ったんです。だからこそ、自分も一度、そうした柔軟な働き方が実際にどんなものなのかを知りたいと思いました」

リゾートバイトで出会ったのは、自分を整える時間
選んだのは、2ヶ月から3ヶ月の一定期間住み込みで働くリゾートバイト。
接客やサービス業務に携わり、経営者という肩書を離れて現場の一員として働くなかで、中島さんは多様な価値観に触れた。
「最初はリゾートバイトへ行く人は、お金目的に働いている人が多いのかなと思っていました」
と中島さん。
しかし、実際に現場で一緒に働き、話を重ねるうちに印象は大きく変わったという。
「自分の目標や次のステップを見据えて、この働き方を選んでいる人が多いことに気づいたんです。
また、人間関係の良さや自分らしくいられる環境を大事にしている人も多くて」
「リゾートバイトは、単なる短期の仕事ではなく、自分を再確認する時間にもなっているんだと感じました」
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「リゾートバイトには、4つの成長の機会がある」
「リゾートバイトは、ただ仕事をする場所ではなく、成長のきっかけが詰まった場でもあります。なかでも、私は4つの成長の機会があると感じました。
まずは、『多角的な視点』。
さまざまな立場の人と関わるなかで、自然と相手の背景や考え方を理解しようとする姿勢が身につきます。
次に、『問題解決力』。
慣れない環境の中で、自分なりに工夫して行動する経験が、どんな職場でも活きる対応力につながります。
そして、『自己認識の進化』。
働くうちに、自分は何を大事にしているのか、どういう時に充実感を得られるのかを自然と考えるようになります。
最後に、『向上心の再起動』。
一緒に働く仲間から刺激を受けて、また次のステージに進みたいと思えるようになるんです」
リゾートバイトは「空白」ではなく「再構築」の時間
リゾートバイトは「空白」ではなく「再構築」の時間。
中島さんにとって、それは「キャリアの中断」ではなく、自分を整え直し、見識を広げるための時間だった。
「仕事を離れることってマイナスに見られがちですが、僕にとっては『立ち止まる』ではなく『再構築する』感覚でした。忙しさの中で見えなくなっていた価値観を見つけ直せたんです」
リゾートバイトは単なる“つなぎ”ではなく、自分の現在地を知り、次のステップを考える“準備期間”にもなる。多様な人たちとの関わりは視野を広げ、今後のレベルアップにもつながる。
「キャリアブレイクって、何かをやめることではなく、自分の軸を再確認する時間だと思います。社員が有給を使ってでも数ヶ月リゾートバイトに行く価値は、十分にあると思います」

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