2025.10.07
公開日:2025.10.02

【連載】横浜から最北端へ|第1回「自己紹介」

【連載】横浜から最北端へ|第1回「自己紹介」

読者の皆さま、はじめまして。
札幌で仕事をする傍らライター活動をしている白丸あすかと申します。

私は神奈川県の横浜市出身で、都内の大学を卒業後、日本最北端の稚内に就職して6年間を過ごしました。稚内では日々の暮らしや北海道あるあるを漫画にしてSNSで発信をしており、ありがたいことにWebマガジンの連載、電子書籍発売、公認インフルエンサー就任といった活動をさせていただきました。

本連載では私の体験談をもとに北海道での暮らしと地方移住、そしてリゾートバイトについてお話をしていきたいと思います。

稚内ってどんなところ?

まずは私が移住先として選んだ稚内という土地をご紹介します。

稚内ってどんなところ?

稚内は日本最北の市町村であり、東京23区よりひと回り大きい761㎢という広大な市域に約29,700人(2025年8月末時点)が暮らしています。広さの割に人口が少ないと感じるかもしれませんが、宗谷地方には稚内以外に人口が1万を超える市町村が存在していないため、これでも辺り一帯の中心都市となっています。主な産業は「水産」「酪農」「観光」の3つで、日本最北端の宗谷岬があることから市の知名度は全国的にも高いと言えるでしょう。

稚内へのアクセスは都市間バスとJRに加えて、最北の現役空港である稚内空港が挙げられます。空港からは札幌(新千歳)と東京(羽田)へ定期便が出ていて、意外と公共交通機関は充実しています。ただし、陸路で移動する場合は同じ道内でも札幌まで特急列車で5時間以上の時間を要します。でっかいどうの異名は伊達じゃありません。

稚内の気候は、当たり前ですが夏は涼しくて冬超寒いです。真夏でも平均気温が25℃以下で過ごしやすい反面、三方向を海に囲まれた稚内は年間を通じて風が強く、冬の体感温度は極寒です(寒いというより痛い……!)

冬の体感温度は極寒です(寒いというより痛い……!)

生活面について、たまに稚内のことをとんでもない僻地だと思っている方に遭遇することがあります。しかし3万人弱が暮らす稚内にはコンビニ、大型スーパー、ホームセンターはもちろんのこと、マクドナルドやすき家といった全国チェーンの飲食店なんかも出店しているので日常生活を送るぶんには何ら支障ありません。(筆者的には)都会です。

今は仕事の都合で札幌に住んでいますが、振り返ってみると町がコンパクトにまとまっていた稚内はとても住みやすい土地だったと思います。私は冬の厳しさを覚悟の上で移住しましたし、旅行が趣味で長距離移動が苦ではない人間だったので、最北端という隔離された立地も無問題でした。

なにより、人も車も多い都会暮らしよりも落ち着いた時間が流れる地方が性に合っていたのだと思います。

情報発信(創作活動)をはじめたきっかけ

私がこうしてライターの仕事をしているのには、稚内(地方)での暮らし特有のある生活環境が大きく関係しています。それは……

通勤時間の短さ これに尽きます!

筆者の場合は自宅から職場までが車で5~10分程度の距離だったため、通勤に関するストレスが皆無でした。1時間の昼休憩で家に帰って食事を済ませるとこもでき、生活の質はとても高かったと思います。私はこの職住近接こそが地方移住最大のメリットだと考えていて、通勤環境が時間と心に余裕を与えてくれた結果、創作・執筆活動ができたのだと感じています。

ただし、地方独特の雰囲気は人によって受け取り方に大きな差が出るのも事実であり、時間に余裕ができたところで「田舎は何もなくてつまらない」と感じる人もいるでしょう。外からの刺激が少ない地方生活に向いているのは、何もないところから自分で楽しみを見つけ出せるタイプの人です。

製品も趣味も、都会は消費・地方は生産だと思います。

また、私は旅行とドライブが好きなので、少し車を走らせただけで絶景に出逢うことができる北海道は最高の生活環境でした。どのみち車社会の地方暮らしではマイカーが生活必需品であるケースが多く、車好きにとっては好都合なのです。

製品も趣味も、都会は消費・地方は生産だと思います。

『しろまる最北日記』として

稚内での生活を細々とSNSに投稿していた私ですが、2020年の秋からオリジナルキャラクターを用いた創作漫画『しろまる最北日記』を描き始めました。ペンネーム、および代弁役として仕立てたオリジナルの道民キャラクターの名前は 白丸 あすか。以前から個人的に気に入っていた東京都にあるJR青梅線の無人駅「白丸」と、筆者の本名から連想した「あすか(明日奏)」を組み合わせたものです。

最北日記は主にエッセイのような作風で、自分が訪れた道内各地の紹介、北海道あるある、最北端でのリアルな生活事情などをテーマにしていました。

『しろまる最北日記~横浜から稚内へ就職した会社員の、愛すべき最果て移住生活~』 / KADOKAWA より
『しろまる最北日記~横浜から稚内へ就職した会社員の、愛すべき最果て移住生活~』 / KADOKAWA より

はじめは完全なる趣味の領域で創作をしていたのですが、ある時ご縁があって北海道新聞社に取り上げていただいたことを皮切りに、冒頭でもお伝えしたような様々な案件をいただけるようになりました。地道に活動を続けてきてよかったです。

あえてキャラクターを使った情報発信をしようと思った理由は、筆者が元々アニメや漫画が好きだったという背景が大きいです。特に実在する場所を舞台にした作品が大好きで、ファンが現地を訪れる観光形態(俗に言う聖地巡礼/コンテンツツーリズム)に興味がありました。サブカルチャーを使った地域振興への憧れから「自分でも何かできないだろうか」と思い漫画での地域紹介を始めた次第です。

白丸あすか

ここまで私の経歴と稚内での活動についてご紹介をしてきましたが、はじめましての読者さまの脳内には「なんで横浜から稚内に移住をしようと思ったの?」という疑問が渦巻いていることと思います。

……そうですよね。縁もゆかりもない最北端に就職するなんて、普通の人間が選ぶ進路では到底ありません。次回からは、私が最北の地に住むきっかけとなったリゾートアルバイト等についてお話をしていきます!

執筆者

白丸あすか

白丸あすか

旅好き道民ライター

狂った距離感で道内外へお出かけ! マイカーでのドライブ旅が大好きです 生息地は主にXとNote

https://note.com/asuka_shiromaru

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