星空と人のつながりがある村。初山別村で見つける、新しい暮らしと挑戦|地域おこし協力隊募集

北海道の北部、日本海に面した人口約900人の小さな村・初山別村(しょさんべつむら)。海に沈む夕日、満天の星、そして豊かな海と山の恵み。自然に囲まれたこの村には、都会では味わえない穏やかな時間が流れています。
一方で、人口減少や高齢化、産業の担い手不足など、多くの地方自治体と同じ課題も抱えています。
そんななか初山別村では、2014年から地域おこし協力隊を受け入れ、地域とともに新しい挑戦を続けてきました。初山別村の地域おこし協力隊は、単なる地域支援ではなく、人と人とのつながりの中で新しい暮らしや仕事を見つけていく取り組みでもあります。
今回は、初山別村の魅力や地域課題、そして地域おこし協力隊の活動についてお話を伺いました。
星空と海に囲まれた村。初山別村ってどんな場所?

初山別村はどんな村ですか?
初山別村は北海道の北部、日本海側にある人口約900人の小さな村です。
山と海に囲まれた自然豊かな環境が特徴で、農業や漁業が盛んな地域です。ハスカップやふぐ、タコなども特産品として親しまれています。

村内には、金比羅神社やしょさんべつ天文台、オートキャンプ場、道の駅、しょさんべつ温泉ホテル岬の湯などが集まる「みさき台公園」があり、初山別村を代表する観光地になっています。
特に金比羅神社は、海に立つ鳥居と夕日の景色が有名で、夜には満天の星と一緒に撮影できる人気のスポットです。人口は少ないですが、自然や観光資源に恵まれた村だと思っています。
初山別村ならではの魅力を教えてください
やっぱり一番は星空だと思いますね。周囲に大きな街がなく光害も少ないので、夜になると空いっぱいに星が広がります。都会ではなかなか見ることのできない景色だと思います。
また、しょさんべつ天文台では、初山別村独自の「マイスターズシステム」を実施しています。これは、まだ名前の付いていない星に個人で名前を付けていただき、その名前を初山別村で登録・保管する仕組みです。登録した星は実際に天文台で観察することもできます。
自分だけの星を持てるという、ほかではなかなかできない体験ができるのも初山別村ならではの魅力だと思っています。
「何もない」からこそ生まれる可能性。初山別村が抱える課題

初山別村が抱えている課題は?
初山別村では、少子高齢化や人口減少が大きな課題になっています。農業や漁業、商工業など、地域を支える産業では担い手不足が進んでいて、この先どうやって地域を維持していくかは村としても重要なテーマです。
また、人口減少に伴って公共交通機関も減少しており、暮らしを支える仕組みそのものを維持していくことも課題になっています。
小さな村だからこそ、一人ひとりの存在が地域に与える影響は決して小さくありません。だからこそ、地域の外から新しい人材を迎え入れ、一緒に地域の未来を考えていくことが必要だと感じています。
地域おこし協力隊を募集する理由を教えてください
こうした課題に向き合うため、初山別村では地域外から積極的に人材を受け入れ、地域活性化と定住促進につなげていきたいと考えています。
地域おこし協力隊には、地域で活動してもらうだけではなく、その後も村に定着し、地域を支える存在になってほしいという想いがあります。
これまで初山別村では、隊員それぞれの発想やアイデアを活かせるフリーミッション型の募集を行ってきました。一方で近年は、村の働き手不足という課題もあることから、観光支援や自治体業務支援など、より具体的な役割を持った募集も行っています。
地域での活動を通じて仕事や人とのつながりを築き、その先の定住につなげてもらえたらと考えています。
地域に飛び込み、自分の役割を見つける。初山別村の地域おこし協力隊

これまでどんな活動が行われてきましたか?
初山別村では2014年から地域おこし協力隊の受け入れを行っており、現在活動中の隊員を含めると、これまで23名の方が活動してきました。
活動内容は本当にさまざまで、廃校を活用したカフェ「れらかふぇ」の運営協力をはじめ、特産品開発や観光PR、イベントの企画運営など、地域の課題やニーズに合わせて幅広い取り組みが行われてきました。
また、観光協会と連携した体験ツアーの企画や、しょさんべつ温泉・ホテル岬の湯の業務支援など、地域の観光を支える活動に携わった隊員もいます。
初山別村では「これをやってください」と決まった活動だけではなく、地域の中に入りながら課題や魅力を見つけ、自分なりの形で活動を広げていけることも特徴だと思っています。
実際にこれまでの隊員も、それぞれの得意分野や興味を活かしながら、地域の人たちと一緒にさまざまな挑戦をしてきました。
印象に残っている活動はありますか?
特に印象に残っている活動のひとつが、村の指定無形文化財である「有明獅子舞」の復活です。
有明獅子舞は、富山県から入植した方々によって受け継がれてきた郷土芸能で、有明八幡神社の祭りでは天狗や獅子が舞い、五穀豊穣や無病息災を願う大切な伝統文化として親しまれてきました。
しかし、少子化や保存会メンバーの高齢化などの影響で、2009年から活動休止となっていました。
このままでは地域の大切な文化が途絶えてしまうかもしれない。そんな状況のなかで、地域おこし協力隊も地域の方々と一緒になって復活に取り組み、2014年に5年ぶりの復活を実現しました。
その後は2019年まで奉納が続き、村民の方々はもちろん、村外からも有明獅子舞を見に来てくださる方がいました。協力隊の力によって、失われかけていた伝統文化を再び地域に取り戻すことができた出来事として、今でも印象に残っています。
子どもたちの学びを支える「オルタナ」
もうひとつ印象に残っているのが、自学塾「オルタナ」の取り組みです。これは、地域おこし協力隊の隊員数名が、地域の子どもたちの学びを支えたいという想いから始めた活動でした。
協力隊の事務所がある多文化交流拠点施設「繋小屋」のフリースペースを活用し、受験を控えた中学生やテスト前の小中学生を対象に学習支援を行っていました。
現在は、元協力隊の方が運営する一般社団法人が継続して小学生から高校生までを対象とした学習支援をしています。
地域おこし協力隊の活動は、任期が終わると一緒に終わってしまうものも少なくありません。そのなかでオルタナは、協力隊の活動が地域の仕組みとして根付き、今も子どもたちの学びを支え続けている取り組みです。
協力隊がきっかけとなって始まった活動が、形を変えながら今も地域に残っていることは、とても印象深い出来事だと思っています。
初山別村で募集している地域おこし協力隊の仕事

現在募集している地域おこし協力隊の仕事内容を教えてください
現在はいくつかの募集がありますが、ひとつは役場の各部署と連携しながら活動するタイプの協力隊です。例えば、村の公式SNSやホームページの運用補助、広報誌の作成補助、ふるさと納税業務、観光協会業務、図書室の管理、天文台の運営補助などですね。
一見すると行政事務のサポートに見えるかもしれませんが、私たちとしては単純な事務補助をお願いしたいわけではありません。
地域の中に入ってもらいながら、「もっとこうしたら面白いんじゃないか」「こういう魅力を発信できるんじゃないか」という新しい視点も期待しています。
例えば天文台では星空観測会の運営に関わったり、初山別村独自の「マイスターズシステム」に携わったりすることもあります。村の魅力を知りながら活動できる仕事だと思います。
もうひとつは、自由な発想で地域おこし活動に取り組むタイプの募集です。
観光や産業振興、情報発信、イベント企画、生涯学習支援、地域の支え合い活動など、活動内容は幅広く、隊員自身のアイデアを形にしやすいのが特徴です。
これまでにも、ピザーラの移動販売を誘致したり、小学生向けのプログラミング教室を開催したり、コンサートや映画鑑賞会を企画したりと、さまざまな取り組みが生まれてきました。
また、初山別村では活動の支障にならない範囲で副業も推奨しています。これまでにも農業や漁業の手伝い、自学塾の運営、温泉施設でのマッサージ営業、高齢者の移動支援などに取り組んだ隊員がいました。
副業は収入を得るためだけではなく、地域の人とつながったり、自分に合った仕事を見つけたりするきっかけにもなっています。
地域おこし協力隊というと、「何をするのか決まっていない」と不安に思う方もいるかもしれません。でも初山別村では、決められた仕事をこなすだけではなく、地域の人と関わりながら自分にできることを見つけていく。そんな活動のスタイルを大切にしています。
人とのつながりが、暮らしを変えていく

移住者から見た村の魅力は?
自然が豊かで、海の幸や山の幸を身近に楽しめることはもちろん魅力のひとつだと思います。
ただ、実際に移住してきた方からは、「人とのつながり」を魅力として挙げてもらうことも多いですね。
初山別村では、地域のイベントや集まりを通じて自然と顔見知りが増えていきます。困ったときには声をかけてもらえたり、何かあれば気にかけてもらえたり。そういう人との距離の近さは、この村ならではかもしれません。
現役隊員や元隊員からも、「以前は困ったことがあれば自分で何とかするのが当たり前だったけれど、初山別では地域の助け合いの中で暮らしている感覚がある」という声を聞いています。
移住者だから、協力隊だからと区別されるのではなく、少しずつ地域の一員として受け入れてもらえる。そういう温かさは、この村の大きな魅力だと思っています。
実際に暮らしてみて感じる変化はありますか?
元隊員の方からは、暮らしそのものに対する価値観が変わったという話をよく聞きます。
以前は、必要なものをお金で買ったり、サービスを利用したりする「消費する暮らし」が中心だったそうです。でも初山別では、野菜を育てたり、山のものを採ったり、魚を分けてもらったりと、自分たちの手で暮らしをつくる場面がたくさんあります。
実際に定住した元隊員の方からは、「暮らしを“与えられるもの”ではなく、“自分たちでつくるもの”だと感じるようになった」という声もありました。
もちろん、都会と比べると不便に感じる部分もあると思います。それでも、人とのつながりの中で暮らしをつくっていくことや、自分の手で生活を築いていくことに魅力を感じる方にとっては、とてもおもしろい環境なんじゃないかなと思います。
暮らす前に知っておいてほしいことはありますか?
まず、初山別村で暮らすうえで車は欠かせません。
村内にはコンビニ等がありますが、日用品の買い物などで隣町まで出かけることも多くあります。移動手段として車は必要になると思います。
また、冬の環境は事前に知っておいていただきたいですね。
初山別村は日本海側に位置しているので、冬になると風が強く、吹雪やホワイトアウトになることもあります。雪国での暮らしや運転に慣れていない方にとっては、大変だと感じる場面もあると思います。
ただ、地域おこし協力隊として活動するうえでは、そうした環境以上に大切なことがあります。
それは、地域の人たちと関わることです。地域の方と仲良くなることで、活動の幅も広がりますし、任期後の仕事や暮らしにつながるきっかけが見つかることもあります。
協力隊の任期は3年間しかありません。その時間をより充実したものにするためにも、ぜひ地域の中に入って、人とのつながりをつくってほしいと思っています。
村に残る決断をさせる、初山別村の魅力

任期後に定住された方は、どのような経緯で初山別村に残ったのでしょうか?
これまで定住された元隊員の方々に話を聞くと、理由は本当にさまざまです。もちろん仕事が見つかったという理由もありますが、それだけではなく、地域の人との関わりの中で「ここで暮らしていきたい」と思うようになった方が多い印象ですね。
実際に、
「この村なら、これからも暮らしていけると思える仕事に出会えた」
「村民の方と関わる中で、いろいろな場所に呼ばれるようになり、自分にできることが増えていった」
「この村で自分ができそうなことが、まだまだあると感じた」
といった声も聞いています。
なかでも印象に残っているのが、現在は漁師として定住している元隊員の方のお話です。その方は、任期満了の1年ほど前に漁師さんの仕事を手伝う機会があったそうです。
そこで一緒に働いていた漁師さんが、本当に楽しそうに仕事をしている姿を見て、「自分もこんなふうに楽しみながら働ける仕事がしたい」と思ったことが、村に残るきっかけになったと聞いています。
さらに、「何か村の役に立ちたい」という気持ちもあったそうです。
定住の理由は人それぞれですが、活動を通して地域とのつながりが生まれ、自分の居場所や仕事を見つけていった方が多いように感じています。
「何もない場所」だからこそ始められる

初山別村として、どんな方に来てほしいですか?
地域おこし協力隊には、過疎地域の活性化に興味を持ち、地域になじむ意思のある方に来ていただきたいと思っています。
また、地域の中に入って活動するだけではなく、「こんなことができるんじゃないか」という新しい発想やアイデアを持ち込んでいただけることにも期待しています。
初山別村は小さな村なので、一人ひとりの存在や行動が地域に与える影響は決して小さくありません。だからこそ、地域の方々と一緒に考え、一緒に動きながら地域づくりに関わってくださる方に来ていただけたらうれしいですね。
そして、できれば任期中の活動だけで終わるのではなく、その先も初山別村で暮らし続けたいと思ってもらえたらうれしいです。
最後に、応募を迷っている方へメッセージをお願いします
初山別村は、正直に言うと何もない場所です。
でも、何もない環境だからこそ、新しいことを自由に始められるチャンスです。
何もないところから始めるのは大変なこともあると思いますが、地域活性化に繋がる「チャレンジ」を村としても村民とともにサポートしていきたいと考えています。
「地域で何かに挑戦してみたい」「自分の力を試してみたい」と思っている方がいたら、ぜひ一度初山別村に来ていただけたらうれしいですね。
初山別村地域おこし協力隊募集概要
【募集職種】 | 業務提案型 | 自治体任用型 | 観光支援型 |
|---|---|---|---|
【募集人数】 | 最大5名 | 最大5名 | 若干名 |
【雇用形態】 | 村との雇用関係がない、初山別村地域おこし協力隊設置要綱に基づき村長が委嘱する隊員となります。 | 村会計年度職員として雇用します。 | 雇用形態は、村との雇用関係がない、初山別村地域おこし協力隊設置要綱に基づき村長が委託する隊員となります。 |
【期間】 | 委嘱期間は、委嘱の日から令和9年3月31日までとします。 (年度で更新し、最長で委嘱の日から3年を超えない範囲で再任することができます。〉 | 委嘱期間は、委嘱の日から令和9年3月31日までとします。 (年度で更新し、最長で委嘱の日から3年を超えない範囲で再任することができます。〉 | 委託期間は、契約の日から契約年度の属する年度の3月31日までとします。 (年度で更新し、最長で委嘱の日から3年を超えない範囲で再任することができます。〉 |
【勤務時間】 | 週31時間〈目安:1日7時間45分、週4日〉 火曜日~金曜日 8時30分~17時15分〈休憩1時間含む〉 | 週38時間45分〈目安:1日7時間45分、週5日〉 月曜日~金曜日 8時30分~17時15分〈休憩1時間含む〉 | 週38時間45分〈目安:1日7時間45分、週5日〉 ※4週8休(シフト制) |
【給与】 | 委託料 月額200,000円 | 給料月額 242,000円 | 委託料 月額200,000円 |
【待遇および福利厚生等】 | 【保険等】 ・国民健康保険、国民年金に個人で加入していただきます。 ※保険料の1/2相当額を村で助成します。 【住居】 ・村で斡旋し、住宅料を全額助成します。(光熱水費は個人負担) ・家具家財など、日常生活に必要な家電や用品は個人で用意してください。 ・転居にかかる費用の一部を旅費条例に基づき村で補助します。 【活動費用】 ・活動車両は、個人で自家用車〈任意保険加入済〉を用意してください。 ※借上料として、居住地域に応じ月額15,000円~20,000円の範囲で助成します。 ・活動に使用する個人用パソコン及び通信費に対して、月額3,000円を助成します。 | 【保険等】 ・市町村職員共済組合に加入していただきます。 ※共済掛金の1/2相当額を村で補助します。 【住居】 ・村で斡旋し、住宅料を全額助成します。(光熱水費は個人負担) ・家具家財など、日常生活に必要な家電や用品は個人で用意してください。 ・転居にかかる費用の一部を村の規定に基づき助成します。 【活動費用】 ・スキルアップのため、隊員向け研修会に参加できます。(経費は、活動費として村が負担します。)。 | 【保険等】 ・国民健康保険、国民年金に個人で加入していただきます。 ※保険料の1/2相当額を村で助成します。 【住居】 ・村で斡旋し、住宅料を全額助成します。(水光熱費は個人負担) ・家具家財など、日常生活に必要な家電や用品は個人で用意してください。 ・転居にかかる費用の一部を旅費条例に基づき村で助成します。 【活動費用】 ・活動車両は、個人で自家用車〈任意保険加入済〉を用意してください。 ※借上料として、居住地域に応じ月額15,000円~20,000円の範囲で助成します。 ・活動に使用する個人用パソコン及び通信費に対して、月額3,000円を助成します。 |





































