更新日:2026.04.14
公開日:2026.04.14

日本の三大珍味とは?由来から食べ方まで解説

日本の三大珍味とは?由来から食べ方まで解説

「日本の三大珍味」という言葉を聞いたことはあっても、具体的に何を指すのか、どんな味でどう食べるのか、意外と知らない方も多いのではないでしょうか。

日本の三大珍味は、江戸時代から将軍家への献上品として珍重されてきたとされる、日本が誇る食文化の結晶です。
それぞれの特徴を知ることで、より深く味わえるようになります。

この記事では、三大珍味の基本情報から歴史・食べ方・世界三大珍味との違い・地域の珍味まで、まとめて解説します。

日本の三大珍味とは

日本の三大珍味とは、一般的に下記の3つを指すとされています。


  • からすみ
    ボラの卵巣を塩漬けにして乾燥させたもの
  • このわた
    ナマコの腸を塩漬けにして熟成させたもの
  • うに(塩うに)
    うにの生殖巣を塩と混ぜ合わせ、ペースト状にしたもの

いずれも海産物を加工した保存食であり、日本の食文化を代表する高級珍味です。

それぞれについて詳しく解説します。

日本の三大珍味1:からすみ

日本三大珍味 からすみ

からすみは、ボラの卵巣を塩漬けにして乾燥させた珍味です。
その形が中国から伝わった墨「唐墨」に似ていることが、名前の由来とされています。

項目

内容

原料

ボラの卵巣

主な産地

長崎県
(長崎市野母が有名)

秋〜冬(10〜1月)

製法

塩漬け後、
血抜きをして天日乾燥

保存方法

冷蔵または冷凍

からすみの食べ方とお酒との相性

日本三大珍味 からすみ 食べ方

からすみの定番の食べ方は、薄くスライスして大根と交互に食べる「からすみ大根です。
薄切りにして軽く炙ると、香ばしさが増してより風味豊かに楽しめます。

また、削ってパスタにかける食べ方も人気があります。

お酒との相性は日本酒が抜群です。
濃厚な旨みと塩気が、すっきりとした辛口の日本酒を引き立てます
白ワインシャンパンとも相性が良く、洋風の食卓にもなじみます。

日本の三大珍味2:このわた

日本三大珍味 このわた

このわたは、ナマコの腸(はらわた)を塩漬けにして熟成させた珍味です。
「こ」はナマコの古い呼び名であり、その「わた(腸)」であることが名前の由来です。

1匹のナマコからわずかな量しか取れないため、非常に希少な食材です。

項目

内容

原料

ナマコの腸

主な産地

愛知県(三河湾・伊勢湾)、
石川県(能登)

冬(12〜2月)

製法

腸を取り出して洗浄後、
塩漬けにして熟成

保存方法

冷蔵

このわたの食べ方とお酒との相性

日本三大珍味 このわた 食べ方

このわたそのまま少量ずつ箸でとり、じっくりと味わうのが基本の食べ方です。
強い磯の香り深い旨みが特徴で、とろろと和えたり、熱燗に少量溶かして楽しむ食べ方もあります。

お酒との相性は日本酒が最も優れています
特に熱燗との組み合わせは「酒泥棒」とも呼ばれるほど相性が良く、日本酒好きにはたまらない一品です。

日本の三大珍味3:うに(塩うに)

日本三大珍味 うに(塩うに)

三大珍味のうにとは、生うにではなく「塩うに」のことを指します。
うにの生殖巣に塩を加えてペースト状にした保存食で、福井県の「越前雲丹」が古くから有名です。

1瓶作るのに100個以上のうにが必要とされるほど、手間のかかる高級食材です。

項目

内容

原料

うにの生殖巣

主な産地

福井県(越前)、
北海道、三陸地方

夏(6〜8月)

製法

生殖巣を取り出して選別後、
塩を加えて熟成

保存方法

冷蔵または冷凍
(製品により異なる)

塩うにの食べ方とお酒との相性

日本三大珍味 うに(塩うに) 食べ方

塩うにそのままご飯にのせて食べるのが定番です。
ほどよい塩気濃厚な旨みがご飯と絶妙に合います。
お茶漬けのり巻きのほか、生クリームと合わせたパスタソースとしても広く使われています。

お酒との相性は日本酒が王道ですが、焼酎白ワインとも好相性です。
濃厚な旨みが口に広がるため、すっきりとしたお酒と合わせると全体のバランスが整います。

三大珍味に選ばれた理由と歴史

江戸時代 台所 イメージ画像

日本の三大珍味が「からすみ」「このわた」「うに(塩うに)」に定まった背景には、江戸時代の食文化が深く関わっているとされています。

下記の3つの産地の名産品が、将軍家や京都御所への献上品として珍重されていたと伝えられています。


  • 長崎のからすみ
  • 三河(愛知県)のこのわた
  • 越前(福井県)のうに

冷蔵技術がなかった当時、各地の職人たちは塩漬け乾燥といった加工技術で食材の旨みを保ちながら保存する方法を生み出しました。
三大珍味は、先人の知恵と技術の結晶といえます。

出典:農林水産省|日本三大珍味といわれている「うに」「このわた」「からすみ」について教えてください。

世界三大珍味との違い

世界三大珍味 キャビアとワイン

世界三大珍味とは、キャビア」「フォアグラ」「トリュフの3つを指します。
日本の三大珍味と比較すると、食材の種類だけでなく、珍味としての成り立ちも大きく異なります。

項目

日本の三大珍味

世界の三大珍味

食材

・からすみ
・このわた
・うに

・キャビア
・フォアグラ
・トリュフ

原料

海産物
(魚卵・内臓・生殖巣)

・チョウザメの卵
・ガチョウの肝臓
・きのこ

成り立ち

保存食として発展

素材そのものの希少性が
価値の中心

お酒との
相性

日本酒との
相性が抜群

ワインとの
相性が良い

最も大きな違いは、成り立ちの背景です。

日本の三大珍味は「保存の知恵」から生まれた食品です。
一方、世界の三大珍味は素材そのものの希少性や風味が価値の中心となっています。

日本の三大珍味以外の地域の珍味

日本の三大珍味以外にも、各地に個性豊かな珍味があります。
地域の食文化が生んだ、知る人ぞ知る逸品を紹介します。



それぞれについて詳しく解説します。

くちこ(能登)

珍味 くちこ

くちこは、ナマコの卵巣を加工した珍味です。
同じナマコから作られる「このわた」よりもさらに希少で、能登を代表する高級珍味として知られています。

塩漬けにした「生くちこ」と、乾燥させた「干しくちこ」の2種類があります。
その希少性から、三大珍味のうにに代わって三大珍味に数える説もあります。

うるか(岐阜・西日本)

珍味 うるか

うるかは、鮎の内臓を塩漬けにした珍味です。

鮎の名産地である岐阜県をはじめ、西日本を中心に広く親しまれています。
西日本ではうにの代わりにうるかを三大珍味に含める地域もあります。

アンチョビに似た風味があり、日本酒はもちろん、イタリア料理との相性も良い珍味です。

めふん(北海道)

珍味 めふん

めふんは、鮭の腎臓を塩漬けにして熟成させた珍味です。

北海道の郷土食として古くから親しまれてきました。
濃厚な旨みと独特の風味が特徴で、日本酒との相性が抜群です。

スクガラス(沖縄)

珍味 スクガラス

スクガラスは、アイゴの稚魚(スク)を塩漬けにした珍味です。

豆腐の上にのせて食べるのが定番で、沖縄らしい独特の食文化を感じられる一品です。

とうふよう(沖縄)

珍味 とうふよう

とうふようは、島豆腐を泡盛・麹・紅麹で長期間発酵させた珍味です。

チーズのようなとろりとした食感と、深いコクが特徴です。
少量をちびちびと味わうのが沖縄流の楽しみ方とされています。

まとめ|日本の三大珍味は先人の知恵が生んだ日本の食文化

日本三大珍味 日本酒と相性抜群

日本の三大珍味である「からすみ」「このわた」「うに(塩うに)」は、冷蔵技術のなかった時代に生まれた保存食です。
食材を無駄なく活かし、旨みを最大限に引き出す先人の知恵と技術が詰まっています。

三大珍味はどれも日本酒との相性が抜群で、少量をじっくりと味わうのが醍醐味です。
機会があれば、ぜひ本場の産地や通販でその味を体験してみてください。
日本の食文化の奥深さを、きっと実感できるはずです。

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執筆者

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