更新日:2026.05.13
公開日:2026.05.13

日本三大名城はどこ?選定基準と6城の歴史を解説

日本三大名城はどこ?選定基準と6城の歴史を解説

「日本三大名城はどの城?」と気になったことはないでしょうか。

日本三大名城は、選定基準が公的に定まっておらず、どの城が選ばれるかには諸説あります。
名古屋城・大阪城・熊本城を挙げる説が一般的ですが、姫路城・松本城・江戸城が挙がることもあります。

そこでこの記事では、日本三大名城の選定基準や各城の歴史・見どころ・アクセス情報まで詳しく解説します。
どの城を訪れるか検討する際の参考にしてみてください。

日本三大名城とは

日本三大名城とは、数ある日本の城の中から特に優れた三つを選んだものとされています。

このように呼ばれるのは、城の規模歴史的価値築城技術が高く評価されてきたためと考えられています。
江戸時代中期の学者である荻生徂徠(おぎゅうそらい)が、築城の名手・加藤清正(かとうきよまさ)と藤堂高虎(とうどうたかとら)が手がけた城から優れた三つを選んだことが起源のひとつとされています。

例えば、名古屋城徳川家康の命によって築かれた巨大な城です。
大阪城豊臣秀吉が天下統一の象徴として築いたと伝えられています。
熊本城加藤清正の築城技術によって造られた堅固な城として知られています。

日本三大名城は、観光名所であると同時に、日本の城の歴史を語るうえで欠かせない存在といえるでしょう。

選定基準と諸説

松本城 観光のイメージ

日本三大名城の選定基準は、明確に決まっておらず、いくつかの説があるとされています。
公的な機関が定めたものではなく、何を重視するかによって選ばれる城が変わるためです。

代表的な説は下記のとおりです。

説の種類

選ばれる城

主な選定基準

一般的な説

名古屋城・大阪城・熊本城

築城技術・天守の規模・機能美

別の有力な説

姫路城・松本城・江戸城

城郭の規模・歴史的な重要性

築城技術を重視するか城郭全体の規模を重視するかによって、選ばれる城は変わるとされています。

いずれの説も、日本の城の文化の奥深さを示しているといえるでしょう。

日本三大名城の一覧

日本三大名城として一般的に挙げられるのは、名古屋城大阪城熊本城の三つです。
いずれも城郭の規模築城技術において日本を代表する存在として高く評価されています。

以下では、各城の特徴と歴史について詳しく見ていきます。



名古屋城(愛知県)

名古屋城

名古屋城は、愛知県名古屋市にある城です。

天守の屋根に輝く金鯱(きんしゃちほこ)を頂く五層五階の天守は史上最大級の規模を誇り、その規模と建築技術の高さから、日本の城の完成形ともいわれています。
徳川御三家の筆頭である尾張徳川家の居城として、江戸時代を通じて名古屋の中心であり続けました。

【見どころ】

名古屋城最大の見どころは、2018年(平成30年)に復元が完了した本丸御殿です。
狩野派(かのうは)の絵師による障壁画(しょうへきが)豪華な装飾金具など、武家文化の粋を今に伝えます。

また、江戸時代から現存する隅櫓(すみやぐら)は重要文化財に指定されており、400年以上前の築城技術を間近で体感できます。

項目

内容

所在地

愛知県名古屋市中区本丸1-1

開園時間

9:00〜16:30
(本丸御殿への入場は16:00まで)

休園日

12月29日〜31日、1月1日

入場料

大人500円・中学生以下無料

アクセス

地下鉄名城線「名古屋城」駅
7番出口より徒歩約5分

公式サイト

https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp

※営業時間・料金は変更になる場合があります。
訪問前に公式サイトでご確認ください。

歴史

1610年(慶長15年)徳川家康加藤清正や福島正則など西国・北国の大名20家に命じ、名古屋城の築城を開始しました。
これは「天下普請(てんかぶしん)」と呼ばれる、幕府が諸大名に命じて行う大規模な工事です。

1612年(慶長17年)には大小天守が完成し、1615年(慶長20年)には本丸御殿も完成しています。

1930年(昭和5年)には、城郭建築として当時の国宝第一号に指定されました。
しかし1945年(昭和20年)の空襲により、天守や本丸御殿などの主要な建物が焼失しました。
その後、1959年(昭和34年)に大天守・小天守が鉄筋コンクリート造で再建され、2018年(平成30年)には本丸御殿の復元も完了しています。

大阪城(大阪府)

大阪城

大阪城は、大阪府大阪市にある城です。
豊臣秀吉が天下統一の拠点として築いたこの城は、当時、『三国無双の城(世界に並ぶものがない城)』と称えられるほど、壮大で華やかな城であったと伝えられています 。

落城と再建を繰り返した波乱の歴史を持ち、現在は大阪城公園として整備されており、年間を通じて多くの観光客が訪れます。

【見どころ】

天守閣は外観5層・内部8階の構造で、最上階の展望台からは大阪市内を一望できます。

館内は歴史博物館として公開されており、豊臣秀吉や大阪城の歴史にかかわる文化財を収蔵・展示しています。 

大手門・多聞櫓(たもんやぐら)千貫櫓(せんがんやぐら)などの古建造物はほとんどが重要文化財に指定されており、城郭内には見どころが数多く残されています。
2025年(令和7年)には地下に眠っていた豊臣期の石垣を公開する「豊臣石垣館」もオープンしました。

項目

内容

所在地

大阪府大阪市中央区大阪城1-1

開館時間

9:00〜18:00
(最終入館17:30)

休館日

年末年始
(12月28日〜1月1日)

入場料

・大人1,200円
・高校・大学生600円
・中学生以下無料

アクセス

JR「大阪城公園」駅または
「森ノ宮」駅より
徒歩約15〜20分

公式サイト

https://www.osakacastle.net

※営業時間・料金は変更になる場合があります。
訪問前に公式サイトでご確認ください。

歴史

1583年(天正11年)豊臣秀吉は石山本願寺の跡地に大坂城の築城を開始し、15年余の歳月をかけて完成させました。
しかし1615年(慶長20年)大坂夏の陣によって大阪城は落城し、豊臣家は滅亡しました。

その後、徳川幕府の二代将軍・徳川秀忠によって城の再建が進められました。
現在の石垣や堀はすべてこの再建時のものとされており、豊臣期の石垣は地上で見ることができません。
現在の天守閣は1931年(昭和6年)に市民の寄付金によって復興されたもので、内部は歴史博物館として公開されています。

熊本城(熊本県)

熊本城

熊本城は、熊本県熊本市にある城です。
築城の名手として知られる加藤清正が手がけたこの城は、上に行くほど急勾配になる「武者返し(むしゃがえし)」と呼ばれる独特の石垣が最大の特徴です。

その堅固さは難攻不落の城として語り継がれており、2021年(令和3年)には熊本地震からの復旧を経て天守閣が一般公開されました。

【見どころ】

熊本城最大の見どころは、加藤清正が考案したとされる「武者返し」の石垣です。

下部はゆるやかで、上部に向かうほど急勾配になるため、侵入者が登れない構造になっています。
天守閣の最上階からは城郭と熊本市街を一望できます。

また、現在も進む復旧工事の様子を特別見学通路から間近で見られるのも、今だけの体験です。

項目

内容

所在地

熊本県熊本市中央区本丸1-1

開園時間

9:00〜17:00
(最終入園16:30)

休園日

12月29日〜31日

入場料

・高校生以上800円
・小中学生300円
・未就学児無料

アクセス

市電「熊本城・市役所前」
電停より徒歩約10分

公式サイト

https://castle.kumamoto-guide.jp

※営業時間・料金は変更になる場合があります。
訪問前に公式サイトでご確認ください。

歴史

1607年(慶長12年)、加藤清正が当時の最先端技術と労力を投じて熊本城を完成させました。
その後、加藤氏は1632年(寛永9年)に改易(かいえき)となり、以後は幕末まで細川氏が熊本城の城主となりました。

1877年(明治10年)西南戦争では熊本城が舞台となりました。
西郷隆盛率いる軍に攻められましたが落城せず、加藤清正が築いたこの城が近代的な戦争にも耐えうることを証明しました。
しかしこの戦いにより、天守や本丸御殿などを焼失しています。

さらに2016年(平成28年)の熊本地震でも大きな被害を受け、現在も復旧工事が続いています。

日本三大名城に挙げられるその他の城

名古屋城・大阪城・熊本城が一般的な日本三大名城とされる一方で、姫路城松本城江戸城を三大名城に挙げる説もあります。

いずれも日本の城郭史において特に重要な位置を占めており、それぞれ異なる魅力を持っています。

以下では、各城の特徴と歴史を詳しく見ていきます。



姫路城(兵庫県)

姫路城

姫路城は、兵庫県姫路市にある城です。

日本ではじめて世界文化遺産に登録され、木造建築の最高傑作と世界から高い評価を受けています。
その白く美しい外観から「白鷺城(しらさぎじょう)とも呼ばれています。

天守が現存する「現存12天守」のひとつであり、国宝にも指定されています。

【見どころ】

姫路城は大天守と三つの小天守が四角形を描くように連なる「連立式天守」の構造を持っています。
大天守と三つの小天守はいずれも国宝に指定されています。

真っ白な外観は火縄銃の延焼を防ぐための白漆喰(しろしっくい)で仕上げられており、白漆喰総塗籠め造り(しろしっくいそうぬりごめづくり)と呼ばれています。

城内には円形・三角形など全部で6種類の狭間(さま)石落としなど、防御のための工夫が随所に見られます。

項目

内容

所在地

兵庫県姫路市本町68

開城時間

9:00〜17:00(入城は16:00まで)
※季節により変動あり

休城日

12月29日・30日

入城料

一般2,500円・18歳未満無料
(2026年3月1日改定)

アクセス

JR・山陽姫路駅より徒歩約20分、
またはバス「大手門前」下車徒歩約5分

公式サイト

https://www.city.himeji.lg.jp/castle

※営業時間・料金は変更になる場合があります。
訪問前に公式サイトでご確認ください。

歴史

姫路城の歴史は1331年(元弘元年)播磨(はりま)の守護・赤松則村(あかまつのりむら)が陣を構えたことに始まるとされています。

その後、戦国時代には主君・小寺氏の重臣であった黒田官兵衛が城代を務め、1580年(天正8年)に豊臣秀吉へ姫路城を献上しました。
秀吉はこれを西国攻略の拠点として整備・改修しました。 

1600年(慶長5年)に入封した池田輝政(いけだてるまさ)による大改修によって、現在見られる姿となりました。
江戸時代を通じて大きな戦火を受けることなく現存しており、1993年に法隆寺とともに日本ではじめて世界文化遺産に登録されました。

松本城(長野県)

松本城

松本城は、長野県松本市にある城です。

姫路城・彦根城・犬山城・松江城とともに国宝に指定されており、現存する五重六階の天守としては日本最古の城とされています。
黒と白のコントラストが美しい外観が特徴で、北アルプスを背景にした景観は多くの観光客を魅了しています。

【見どころ】

国宝に指定されているのは、天守・乾小天守(いぬいこてんしゅ)・渡櫓(わたりやぐら)・辰巳附櫓(たつみつけやぐら)・月見櫓(つきみやぐら)の五棟で、これらが連結した複雑な構造が大きな見どころです。

天守内部には武具鉄砲などが展示されており、戦国時代の雰囲気を感じることができます。

また、水堀に映る天守の姿も美しく四季折々の景観が楽しめます。

項目

内容

所在地

長野県松本市丸の内4-1

開場時間

8:30〜17:00(最終入場16:30)
※GW・お盆期間は8:00〜18:00

休園日

年末(12月29日〜31日)を除き無休

入場料

・大人700円
・小中学生300円
・未就学児無料

アクセス

JR松本駅より徒歩約20分、
または周遊バス「松本城・市役所前」
下車すぐ

公式サイト

https://www.matsumoto-castle.jp

※営業時間・料金は変更になる場合があります。
訪問前に公式サイトでご確認ください。

歴史

松本城の前身は、戦国時代に造られた深志城(ふかしじょう)です。
甲斐の武田信玄が信濃支配の拠点として深志城を選び、天正10年(1582年)に小笠原貞慶(おがさわらさだよし)が本能寺の変の混乱に乗じて城を取り戻し松本城と改めました

1590年(天正18年)、徳川家康の関東移封にともない、石川数正(いしかわかずまさ)が入城しました。
数正とその子・康長(やすなが)により、天守や櫓・石垣の整備と城下町の基盤づくりが進められ、現在の松本城の姿が形づくられました。

明治時代には廃城の危機を迎えましたが、地元住民の保存運動によって守られ、現在にいたります。

江戸城(東京都)

江戸城

江戸城は、東京都千代田区にある城跡です。

日本最大級の規模を誇る城で 、徳川将軍家の居城として江戸時代を通じて日本の政治の中心であり続けました。
明治維新後は皇居となり、現在も天皇陛下のお住まいとして使われています。

城跡の一部は皇居東御苑(ひがしぎょえん)」として一般に無料公開されています。

【見どころ】

皇居東御苑では、天守の土台として築かれた天守台(高さ11m)が残されており本丸跡復元された二の丸庭園松の廊下跡などを巡ることができます。

江戸城の史跡として唯一残る三重櫓「富士見櫓(ふじみやぐら)や、江戸時代の検問所であった百人番所なども見学できます。
天守は現存しませんが、本丸休憩所では江戸城天守の復元模型を見ることができます。

項目

内容

所在地

東京都千代田区千代田1-1(皇居東御苑)

開園時間

9:00〜16:00
※季節により閉園時間が異なる

休園日

月・金曜日(祝日の場合は翌日休)、
12月28日〜1月3日

入場料

無料

アクセス

東京メトロ「大手町」駅C13a出口より徒歩約5分、
JR「東京」駅丸の内北口より徒歩約15分

公式サイト

https://www.kunaicho.go.jp/visit/higashigyoen

※開園時間は変更になる場合があります。
訪問前に公式サイトでご確認ください。

歴史

江戸城は1457年(長禄元年)太田道灌(おおたどうかん)が築城したことに始まるとされています。
その後、1590年(天正18年)の豊臣秀吉による小田原征伐で北条氏が滅亡し、徳川家康がその居城としました。

1640年(寛永17年)徳川家三代・50年にわたる大建設工事が完了しました。
しかし1657年(明暦3年)明暦の大火によって江戸城は焼け野原となり、天守は再建されないまま現在にいたります。

明治維新後は皇居となり、江戸時代の威容を伝える石垣や堀、門などが現在も残されています

まとめ|日本三大名城の魅力を体感しよう

姫路城 観光のイメージ

日本三大名城には諸説あり、本記事では名古屋城大阪城熊本城、および姫路城松本城江戸城を取り上げました。

選定基準は公的に定まっておらず、何を重視するかによって選ばれる城は変わります
しかしどの城も、日本の歴史築城技術の高さを今に伝える貴重な存在です。

名古屋城の金鯱、大阪城の壮大な石垣、熊本城の武者返し、姫路城の白亜の天守、松本城の黒と白のコントラスト、江戸城の広大な遺構と、それぞれに異なる見どころがあります。

ぜひ実際に足を運び、日本三大名城の魅力を体感してみてください。

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執筆者

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